日時:2010年4月10日(土)
場所:日和田山
メンバー : 8名

薄曇りの空の下、高麗駅の前に8時30分までに全員集合。
足を骨折しているYさんは、全員が揃う前に松葉杖を突いて先に出発した。残りのメンバーは、8時30分を過ぎてから、日和田山の岩場に向かい歩き始める。なんとなく曇っていた空が、徐々に晴れてきてうららかな日射しの中で、辺りにはすっかり春の里山の風景が広がっている。菜の花の黄色と満開の桜の薄いピンクが重なり合い、この日和田山周辺の春の景色は、心蕩けるほどに美しい。
日和田山の岩場は、女岩と男岩に分かれていて、今日は、クライミングをやるのではなく、まずは懸垂下降の訓練をするのが目的なので、女岩からロープを下ろし訓練を開始した。Yさんが、岩のてっぺんに陣取っていて、懸垂下降をする一人一人に懇切丁寧な指導を与えてくれた。
一人3回ずつ、懸垂下降を行う。Mさんが体調が優れず、懸垂下降の練習の途中で撤退された。
ロープ一本では、時間が掛かるので隣にもう一本ロープを垂らす。二カ所でやるので、効率は良くなった。
次は、ブレーキ付き懸垂を教わった。60センチ程のロープスリングをマッシャーで(Yさんはマッシャーだと教えるが、SAさんはそれはクライムハーストだと言う)ロープに結びつけ、それをハーネスの腿の箇所にカラビナで結びつける。マッシャーの結び目をずらしながら懸垂下降をするのだが、何かのはずみで手が離れてもマッシャーが利いて、ロープの途中で停止していることが出来るのだ。到着地点が見えない場所での懸垂下降をする時などでは、やらなければならない方法らしい。二度程試みたが、しっかりマッシャーが利いて体を止めてくれた。
また、懸垂途中で空中停止する方法として、ロープを片側の足に巻き付けるやり方も教わった。女性は、二回ほど。男性は、三回ほど巻き付けるとしっかり利いて停止することが出来る。簡単な方法で、覚えていると緊急の場合に有効だが、腿を締めつけることになるので、長時間の作業には向かない。
ここら辺りで、昼食の時間となった。その時間を利用して、女岩でアプローチシューズのまま、トップロープで遊んだ。頂上では、骨折中のYさんが昼寝状態で寝そべっていた。
午後は、補助懸垂の訓練をした。岩場で負傷した仲間を、取り敢えず下に降ろしてやる訓練だ。これは、方法を言葉で説明するのは難しいので割愛させていただく。要は、一人が負傷者を抱えて、二人分の懸垂下降をするような方法である。運ぶ方は責任があるので、かなり緊張するし、運ばれる方も相手を信頼しなければ、非常な恐怖感を覚えることになる。
次にやったのは、カウンターバランスで負傷者を下ろす方法である。これは、アンカーを中心にして、降ろす側と降ろされる側が、左右に振り分けられてバランスを取りながら、下降していく方法で、最初にやった補助懸垂よりは簡単で、安心感もある。
最後に習った方法は、ロアーダウンで、その言葉の通り、負傷者をムンターヒッチ(イタリアンヒッチ)で直に降ろしていく方法で、この方法が一番簡単な方法であった。そんなことなら、最初から、この方法を教えてくれておけば良いものをと思ったが、複雑な方法から教えないと、生徒は聞く耳を持たなかったかもしれない。だから、Yさんには、それなりの考えがあったのだろう。
本日の、訓練の締めくくりは、負傷者の搬送訓練だった。ちょうど講師のYさんが、負傷状態だったので、Yさんを岩場から下の一般道まで搬送する訓練を行った。Sさんの大きなザックに雨具の上着をロープスリングで取り付け、さらに負傷者の腰かける辺りにウレタンマットを巻き付けたストックを渡し、搬送用の道具を用意した。この方法は、YOさんが持参した本に記されていたもので、詳しい解説は、お願いします。ともかく、勝手の良い方法で、それほど無理なく搬送できた様子であった。もっとも、Yさんを搬送したのは、UさんとSさんのお二人で、私は、ずっと軽いTさんを搬送しただけであったが……。
下におりてきた後は、コンビニに皆で立ち寄り、ビールやつまみを各自買い込み、高麗の駅前で、電車を待っている間、皆でおつまみを提供し合って軽く喉を潤した。
心地よい疲労感で満たされながら、春の里山を後にしたのだが、とても勉強になった訓練山行であった。
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- 2010-04-27
- クライミング
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