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百名山の利尻と花咲き乱れる礼文~最果て島紀行~


日程  :2010年6月27日(日)~29日(火)
メンバー:4名
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コース:6/26(土)Y夫妻:羽田→新千歳経由→稚内 O:羽田→稚内 合流後稚内北防波堤ドーム(泊)
6/27(日)稚内6:30発(フェリー)→利尻島・鴛泊8:10 着後タクシーで<ファミリーキャンプ場ゆーに>に途中立ち寄りテン泊荷物をデポ後登山口へ 鴛泊登山口(北麓野営場)8:37→8:45-8:50甘露泉水(水補給)→9:30-40休憩→10:30-40休憩(七合目七曲り)→11:10-15休憩(長官山)→12:10-20休憩(9合目)→山頂13:15-13:45→14:30-40休憩(9合目)→15:30-40休憩→16:10-15休憩→16:40-45休憩→17:20甘露泉水→17:30北麓野営場→徒歩でファミリーキャンプ場ゆーに18:15、テント設営後、利尻富士温泉入浴 ゆーに(泊)
6/28(月)徒歩でフェリーターミナルへ 鴛泊9:30発(フェリー)→10:10礼文島・香深着後タクシーで緑ケ丘公園キャンプ場へ、ガレージにテン泊荷物をデポさせてもらう 11:00頃香深井(バス)→11:52スコトン岬(お土産物色、岬散策)-12:30<花岬めぐり4時間コース>→浜中→九種湖→船泊(食材買い出し)16:35(バス)→香深井17:00頃→緑ケ丘公園キャンプ場(泊)
6/29(火)緑ケ丘公園キャンプ場4:30発<礼文林道コース>→6:50礼文林道コース終点で解散
O:香深フェリーターミナルへ徒歩で下山、8:45発(フェリー)→10:40稚内(入浴・昼食)→稚内空港→羽田
Y夫妻:引き続き<桃岩展望台コース>→知床→香深(昼食)12:35発(フェリー)→14:30稚内(入浴)→稚内空港→新千歳経由→羽田

はまっこ・のりぴーさん、今回はいよいよ98座目がかかった大事な山行である。奥様も同行されると聞き、一度はご遠慮したほうがよいかな、とも思ったが、お二人が快諾してくださったので、ベストシーズンのこの時期に図々しく同行させていただくこととした。

6/26 フライトの都合でいつもと違い現地集合・現地解散。2時間半早く稚内についた私はガス購入という使命を果たし、観光案内所で現地情報を確認。今夜の宿を「森林公園キャンプ場」ではなく、勧められた「北防波堤ドーム」にする。無事JR稚内駅前でお二人をお迎えし、まずは駅前の居酒屋さんでうに盛りなど北海の幸で乾杯。食後19時閉店間際のスーパーで明日の行動食を購入し、北防波堤ドームへ移動。強風の中テントを張って就寝。

6/27 翌朝、徒歩でフェリーターミナルへ移動。ほぼ同じ時間帯に礼文行きと利尻行きの1便がでるのだが、礼文行きのほうが団体さんが多い。フェリーはいずれも大きくて立派である。船酔いを心配していたが、強風と騒音で寝不足だった私たちはフェリーに乗り込むやいなや爆睡体制。到着15分ほど前に、のりぴーさんから「利尻が見えるよ!」と声をかけていただき、慌ててデッキへ出てみた。なんと、島全体が山みたいな円錐形の利尻が、山頂まで雲一つなくくっきり。みんなで「今日は楽しく登れそうですね!」と大喜びした。下船後は急いでタクシーへ。登山口へ向かう途中、今日のテン場「ゆーに」の管理所で泊まりの荷物と計画書を預かっていただいた。

利尻は百名山の中でもなかなか厳しい山である。なんせ、登山口の標高が200mくらいなので、山頂まで標高差1500mくらいを一日でピストンするのだ。それに最果ての島の独立峰だけあって、風も強く雲もわきやすいという。登り出しは緑濃いなだらかな森の中をうきうきしながら進めるのだが、山頂に行くに従い傾斜は増してくる…。昭文社のコースタイムは往復約9時間。中には往復12時間くらいかかる人もいるという。時間はすでに8時半を過ぎている。緯度が高いため日没は19時半くらいだが、ペース配分と水分補給が成否を分けるだろう。
私たち3人は、念入りにストレッチをしている団体ハイカーを横目に素早く身支度を整え、甘露泉水の渋滞に巻き込まれる前に出発した。今回がいままでで最長の登山となる奥様はちょっと緊張ぎみのようだ。ほどなく甘露泉水に到着。冷たくほの甘く、とってもおいしい。水と元気を充填し、いざ出発。樹林帯はすでに気温が高くなっていたが、ざあざあ木々がなるほどの風が汗を吹き飛ばし、快調に登る。7合目あたりから急に傾斜が増してきて、奥様のペースが少し落ち始めた。のりぴーさんが奥様の荷物を自分のザックに移し、再び出発。樹林帯を抜け、8合目の長官山までくると遮るものもなく、いよいよ眼前に山頂が迫る。
最果てとは思えない暑さの中、ようやく到着した9合目で<ここから正念場>という看板を見た奥様から思いがけず「私、ここで待ってようかしら」と言葉がこぼれた。まだまだ順調なペース、天気も最高、時間もある。それに、なんといってもせっかくの98座目、お二人でそろって山頂に立っていただきたいではないか。私は「えー、あと1時間くらいで山頂ですよ!お元気そうだし、まだ時間もありますし、行けますよー。行きましょうよお。」と声をかけた。奥様もにっこりして「じゃあ、頑張ります」とまた歩き出された。
でも、それからが本当に正念場だった。山頂付近は崩壊が進んでいる、とは聞いていたが、急傾斜の足元は赤茶けた小石のザラザラな道だった。健脚ののりぴーさんも「脚がつりそう」とおっしゃる。私も踏み出した足元から小石が流れ出したときは、思わずそのまま後ろに滑り落ちそうになり、慌てて四つん這いになって踏ん張った。ひどいところは路面を固めていただいたり、フィックスロープが張られているが、山頂までずっと緊張のし通しだった。

そして、ついに山頂到着!祠の前で手を合わせ、早速みんなで写真撮影。気温が高いのでかすんではいるが、360度海が見える大パノラマである。沓形コースから来られた、というピッケル姿の男性に登山道の様子を伺うと、「ほんの100mほどですが、まだ雪が残っていて、そこがいやなトラバースなんで、ほんと緊張しましたね。他も崩れているし」とのことだった。でも装備といい、体格といい、相当熟練された方のようである。私は鴛泊コースでよかった…。まあ、利尻登山情報で「沓形コースはピッケル・アイゼン必携。熟練者のみ通行可能。一般登山者は鴛泊コースで」と書いてあったので、自分がこちらを来ることはなかったと思うが。
いつまでも景色を楽しんでいたい山頂ではあったが、下山も長い。昼食をとった後は長居もできず、慎重に下り始める。ザレた道が脚にくる。途中、私たちが山頂にいたときに9合目あたりに見えていた女の子を追い抜いた。半袖Tシャツに足元はスニーカー、装備は小さなショルダーバック、足元もおぼつかなく、あまりにも遅いペース。あまりの軽装備に心配になったが、ほどなく山頂でお会いした男性が道端に座っていらして「彼女、水も持ってない、って言うし、あんまり心配だから一緒に降りますよ」とおっしゃってくださった。「水なら私、まだありますので、少しお分けしましょうか」と問うと、「さっき、僕のをだいぶ渡したから大丈夫。そちらも気をつけて降りてね」と手をふってくださった。それなら安心だが、やはりいるのだ。思いつき登山、というタイプの人。
脚ががくがくしかけた頃、ようやく甘露泉水にたどり着いた。ここまでくればもう安心。とにかく登山口から舗装路をひたすらキャンプ場「ゆーに」を目指した。

「ゆーに」では管理人さんが私たちを笑顔で出迎えてくださった。さっさとテントを張った後は道路を挟んで隣り合わせた利尻富士温泉へ。食材を買える場所を聞くが、だいぶ先のコンビニしかないという答え。私たちはまたもや軟弱化し、温泉の中の軽食堂で夕食。悩んだ末に頼んだカレーが、思いの外ご当地メニューの「たこカレー」だったことに奥様と大喜びした。テントに帰った後は即就寝。

6/28 徒歩でフェリーターミナル。待合室で昨日の男性とお会いしたので、昨日の下山についてお聞きする。
ずいぶん時間がかかってやっと降りられたということだったが、とにかく女の子がけがもなく下山できたということをお聞きしてほっとした。
稚内行きのフェリーの男性をお見送りし、我々は礼文行きへ。礼文のターミナルからはまたタクシーでテン場へ。泊まりの荷物をガレージに入れさせていただき、路線バスでスコトン岬へ。

礼文も風が強い。でも、北海道でも珍しい猛暑という中、この風が気持ちよい。青い海、青い空を眺めながらどんどん丘を登ると斜面が一面のお花畑になった。さらに丘を登り切ると、島がはるか遠くまで見通せる絶景!今日はスコトン岬4時間コースのらくらくハイキング。残念ながらレブンアツモリソウはもう時期を過ぎていたが、楽しく歩いた後はJAマリンで買い出しをし、路線バスでキャンプ場へ。奥様の美味しい手料理をたらふく食べて就寝。

6/29 Y夫妻は遅いフェリーなので軽いザックだが、そのまま朝1のフェリーに乗る私はテント入りの重装備で早朝礼文林道コースを行く。はじめはいわゆる林道だが、視界が開けてくるとまた島と海が見渡せる絶景。待っていたのはレブンウスユキソウの群生地。あー、早起きして歩いてよかった!!林道コース終点でさらに桃岩コースを歩かれるY夫妻とお別れし、後ろ髪を引かれながら一人でフェリーターミナルへ。稚内でお風呂に入り、最後に北海のお寿司をいただいて楽しい旅は終わった。

今回礼文でテン場がいっしょだった山スカの単独の女の子、帰りのフェリーや飛行機も私と一緒だったので、帰路いろいろお話をしていると、なんとミドレンジャーさんとお知り合いだった。百名山、あと14座で今年中に終わらせる予定、とおっしゃる。すごい!先日その彼女と飯豊で会ったとOBさんがおっしゃってた。着々と進んでるんですね。のりぴーさんも99座目も無事登頂を果たされたそうですし、次回の100座登頂成功を心よりお祈りしております。今回もいろいろご手配いただき、のりぴーさん、奥様には本当にお世話になりました。ありがとうございました!!私が行けなかった桃岩コースが一番お花が多かったそうなので、いつかまた礼文には行きたいなあ、と思っております。

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