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南アルプス縦走 (北岳~間ノ岳~農鳥岳~塩見岳)

南ア
■メンバー:6名
■行程:2011年8月12日~15日(前夜発4日間)
 11日(木): 毎日アルペン号22:30~芦安にて仮眠
 12日(金): 広河原登山口6:40~(大樺沢経由)二俣9:00~八本歯のコル11:30~北岳~北岳山荘
 13日(土): 北岳山荘5:40~間ノ岳7:20~農鳥小屋8:25~農鳥岳9:55~農鳥小屋11:25~三国平13:35~熊ノ平小屋14:20
 14日(日): 熊ノ平小屋4:40~安倍荒倉岳~新蛇抜山小岩峰6:00~2542鞍部6:55~北荒川岳~2701鞍部8:35~北俣岳9:20~塩見岳10:20~塩見小屋~本谷山~三伏峠小屋14:20
 15日(月): 三伏峠小屋6:25~登山口8:10~鳥倉林道ゲート8:40

【1日目:北岳へ】 8/12(金) 晴れ
 芦安(2:45着)に降り立った私たちは、広河原行バス(5:10発)までバス停で仮眠。夜叉神峠を越えると、車窓からは朝日を浴びた白峰三山(北岳~間ノ岳~農鳥岳)の稜線がくっきりと拝め、早くも胸が高鳴ります!

 登山基地の広河原(標高1520m)で準備を整え、日本第二の高峰、北岳(3193m)に向かって出発!樹林帯を抜け、大樺沢に沿って徐々に高度を上げて行きます。盛夏の強烈な日差し、青空、草木の緑、白い雪渓のコントラストが鮮やかです。これぞ日本の夏山。右前方には北岳バットレス、背後には早川尾根の稜線~鳳凰三山が大きい。奥には八ヶ岳も顔を覗かせています。

 傾斜はだんだんと急になり、ハシゴも連続。さらに大樺沢をつめると、池山吊尾根との交点、八本歯のコルにぶつかります。ここからは視界が開け、大展望。岩稜帯を進み、頭上には目指す北岳山頂がいよいよ近い。間ノ岳への稜線も力強く、なかなか格好良い。
(この日私は体調不良で、分岐から北岳山荘にトラバースしました。こんなところで情けないやら恥ずかしいやら。不甲斐無さと猛省でバットレスから身を投げ出したい気分でした…。明日以降の長い行程を思い休ませて頂きましたが、皆さんにご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした。山荘まで付き添って頂いたHさんをはじめ、本当にありがとうございました。お陰様で翌日は体調も回復しました。北岳登頂レポート、済みませんがどなたかお願いいたします!)

 北岳山荘到着後、自炊小屋でカレー作り。これまで自己流で歩いてきた自分としては、料理も幕営も、色々と勉強になりました。テント場からは北岳と間ノ岳が仰げ、雲海の彼方には富士山も華を添える、贅沢な場所です。夜間は稜線上だけあってテントも風に揺らされましたが、今回の山行では4日間とも天候に恵まれ、最後まで雨に濡れることはありませんでした。

【2日目:間ノ岳・農鳥岳】 8/13(土)  晴れ(のち時々曇り)
 2日目は間ノ岳を越え農鳥岳をピストン、三国平を経由し、熊ノ平小屋までの行程です。北岳山荘から間ノ岳への登り返しは比較的緩やかなものの、中白根岳(3055m)などの小ピークが続き、山頂に着きそうで着かない。どっしり重厚重量感ある南アルプスらしい間ノ岳の山容は、北岳側から縦走すると騙しピークの連続に感じられます。

 日本4位の高峰、間ノ岳(3189m)登頂!山頂にいたおじさんから「槍穂が見えるよ」と教えられ視線を向けると、仙丈ヶ岳の左奥には、遠く槍穂のシルエットが確認できました。前方には明日目指す塩見岳も姿を現しています。歩いてきた稜線を振り返り、前方には新たな世界が移動しながら開けていく。縦走登山の楽しみです。

 農鳥岳へは、農鳥小屋(2800m)にデポして往復することに。私たちが小屋前にザックを置こうとすると、「そこには置くな!」と名物小屋番“農鳥おやじ”が日焼け満面、双眼鏡を手に登場。「お前たちは(農鳥岳を)ピストンか?クマか?(熊ノ平まで行くのか)」と尋ねてきたので、「クマです」と答えると、「3(農鳥往復)+3(熊ノ平まで)6時間だから早起ち早着き厳守」「ピストンでも雨具・食糧・ヘッドライト必須」「お前たちは若いから大丈夫だ」と、名調子でたたみ掛けてきました。
(私が5年前宿泊した時は、遅く到着したグループに激怒し夕食準備拒否、別の登山者とは山に対する考え方の違いから喧嘩を始めるなど大荒れでしたが、基本真っ当なことを言っていると思うので、私は農鳥おやじ、実は結構好きです。トイレは以前のままでしたが…。)

 農鳥岳山頂が近づくにつれ所々岩場となり、高度感があります。西農鳥岳(3051m)直下を巻き、農鳥岳(3026m)へ。白峰三山縦走完了です!メンバー皆で記念撮影。ややガスが掛かりましたが、復路では雷鳥も姿を見せ出迎えてくれました。農鳥岳から先には、広河内岳から遥か続く白峰南嶺の山々がウネウネと横たわっています。皆口々に「次はあっちも縦走したいね。」その気持ち、山好き共通の性ですよね。

 農鳥小屋から三国平への巻き道(間ノ岳南斜面トラバース)は、他の登山者と出会うことなく、あまり整備もされていないせいか、案外クセ者でした。涸れ沢横断やザレ場ガレ場の斜面・岩場の通過、ハイマツや潅木が日焼けした肌にバンバン突き刺さり、痛い。2時間後、三国平で仙塩尾根に合流したときはホッとしました。

 熊ノ平小屋までは黄色いお花畑の中を下ります。(Hさん命名は“アルペンヒマワリ”→調べたところ“マルバダケブキ”だそうです。)
 熊ノ平小屋到着。今夜は麻婆春雨が美味しい。テント場では単独縦走のおじさんが20年前の南アルプス登山地図を見せてくれて、山談義に華が咲きました。

【3日目:塩見岳】 8/14(日)  晴れ(のち時々曇り)
 今日の行程は長いため(コースタイム10時間程度)、3時起床の早起ちです。しばらく潅木帯~樹林帯が続き、縦走路から山頂まで1分の安倍荒倉岳も地味に往復し踏覇。鞍部(2542m)を過ぎ、塩見岳に向けた標高差500m以上の登りが徐々に始まります。

 潅木帯を抜けると、北荒川岳の山頂にすぽんと飛び出し、突然、視界が大きく開けます。素晴らしい開放感!崩壊した斜面が眼前に口を開け、そして正面には、“鉄の兜”に例えられる塩見岳独特の山容が、だーん!と目の前に迫ります。

 塩見岳への急登(特に東側肩にあたる北俣岳まで)は強烈でした。夏の陽射しも容赦ない。一歩一歩、ザレ場を着実に前進します。ここは逆コース(下り)でも大変でしょう…。北俣岳では展望を楽しみながら一息。北方向には私たちが歩いてきた縦走路(仙塩尾根)、南方向には新たな展望、荒川岳方面の山々も姿を見せます。蝙蝠岳の姿も印象的。二軒小屋まで縦走する登山者も何人かいました。

 そして塩見岳への最後の登り。塩見岳東峰(3052m)登頂。南アルプス中央部にそびえる秀峰、いや~塩見は素晴らしい山です!
 すぐ隣の三角点のある西峰(3047m)を越え、天狗岩を巻き、塩見小屋に向けては岩場が続きます。足場はしっかりしていますが、今晩の目的地三伏峠(標高約2600m)までは4時間ほどの行程であり、気の抜けない箇所です。

 塩見小屋から少し下ると再び樹林帯になり、三伏峠までは森の中を歩きます。今日は「お花畑→大展望→岩場→樹林帯」と、南アルプスの醍醐味を存分に堪能した一日でした。三伏峠小屋には14:20到着。ハードなコースでしたが、無事順調に踏破しました。

 夕飯はちらし寿司。疲れた体に酢の味は美味しい!テント場では、11泊の行程で光岳まで縦走中の学生男女6人組と一緒に。Hさんから学生にウイスキーの差し入れ。これには学生も大感激していました。彼らは礼儀正しく健脚で、翌朝3時には体操をして出発していきました。私は自分の不甲斐無さを感じると共に、こういう人達によって登山の素晴らしさが次世代に着実に受け継がれているのだなあと思うと、なんだか嬉しくなりました。

【4日目:下山】 8/15(月)  晴れ
 最終日。朝、小屋近くのお花畑に立ち寄り、小河内岳方面から南に伸びる山々を眺め、南アルプス主稜線に別れの挨拶を告げました。“どこまでも続く雄大なあの縦走路を、いつまでも歩いて行きたい”、2日目に農鳥岳から続く白峰南嶺の山々を眺めた時と同じように、皆、名残惜しそうに「今度は南部も縦走したいね!」

 三伏峠からは2時間弱の下りで林道に降り立ちます。タクシーで温泉まで。4日間の汗を流します。温泉から高速バス停へ向かう途中で道迷い?してしまいましたが、帰りの高速道路はこの時期にしては順調で、小仏トンネル名物の渋滞も20km程度で少し拍子抜け。20時には新宿駅に到着し解散。下界の現実に戻されても、南アルプスの山々がいつまでも鮮やかに脳裏に蘇ってきます。

(感想)
・南アルプス北部~中部を代表する縦走コース、樹林帯・展望・岩場・お花畑と変化に富み、南アルプスの素晴らしさを充分に堪能できました。
・4日間とも夏型の気圧配置で天候は良好、雷雨もありませんでした。ただ、予想通り陽射しは強烈で暑かった。
・個人的には、初日体調不良でご迷惑を掛けてしまいました。厳しく反省し、次回以降の山行に生かします。

※お世話になった皆様、4日間本当にありがとうございました!補足(北岳登頂等)や写真等ありましたら、どうぞよろしくお願いします。
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