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ハイカーセルフレスキュー講習会

日時:10月30日(日)
場所:天覧山 195m (飯能駅より徒歩20分)
講師:渡邊輝男先生
メンバー:17名

 10月30日に飯能駅近くの天覧山でハイカーセルフレスキュー講習会が開かれました講師には日本山岳協会遭難対策常任委員の渡邊輝男先生を迎え、参加者約17名が真剣かつ楽しく実践講習を受けました。今回初めて講習を受けるメンバーが多かった為、講習内容はポイントを絞らず幅広く紹介する形式になりました。

山岳遭難事故の原因トップ3は ①道迷い ②滑落、転倒 ③病気 という事で先ず地図読みからスタート。天覧山周辺の1/25000地形図とコンパスを片手に山頂に集合、そこから指定された尾根を探します。頂上からは木立ではっきりしない尾根も、見当をつけ下っていくと地形が明確に。地図読みでは常に先々の地形の特徴を捉え現在地を正確に把握できるかがポイントになりますが、なかなか難しいです。

次に滑落、転倒を防ぐためのロープワークの講習。事故者の救助というよりは、急斜面の登下降や危険箇所のトラバースを安全に通過するのが目的。まず最初にスリング(120cm)で簡易ハーネスを作成。次にムンターヒッチとクローブヒッチの 結び方を教わりカラビナにセット。木に結び付けた60cmハーネスを支点にビレイ練習とロープ結びを何度も繰り返し行いました。ベテランメンバーは講師役として各グループに付きましたが、どこも駄目出しありの様子。見ていてパーフェクト!と思ってもいざやってみると???です。
この他にもトラバース時のロープの張り方、それを利用したフリクションノット、カラビナのかけ替え、ロープ同士の結び方、ツエルやタープ(ブルーシートで代用)の設置に便利なツーハーフヒッチなどなど・・・ 早くも飽和状態のメンバーはとにかく記憶に留めるべくロープ結びを繰り返し練習し,完成品の写真を撮っていました。
昼食を挟んでロープワークの後は公園内の東屋に移り、事故をおこさない為の日頃の心がけや年齢に適した運動心拍数、水の必要摂取量などのレクチャーを受けました。筋力低下による転倒や山行中の脳梗塞、熱中症、低体温症は年々増えているとか。
駅や会社では階段を使用!冬も薄着で過ごす!!(先生は朝から半袖!)などなど、日常生活でも訓練できることは沢山ありそうです。

次に事故がおこってしまった時の救助要請について。最近は携帯での要請が多いそうですが、バッテリーチャージャーを常に携行する、行動中随時アンテナが立つ場所をチェックしておく等の注意が必要。また、所轄警察署の電話番号を登録しておいた方がいいそうです。110にかければいいのでは?と思いましたが、電波が他県に拾われ遠くの警察に繋がる事もあるとか。
これらの問題を考えると、アマチュア無線が一番有効な手段になるようです。
ヘリを要請したら発見してもらえるよう努力が大切。銀のレスキューシートや白いもの(タオル等)を振る、樹林帯では木を揺するなど、工夫しないと上空からは見つけにくいそうです。

最後に救急法についてのレクチャーと実践が行われました。先生のファーストエイドキット袋からは薬から道具まで様々なものが出てきました。その中から一部をご紹介。

・シャクヤクカンゾウトウ(足のつり)・アスピリン(解熱&血栓除去)・アミノ(疲労回復)・OS1保水液(熱中症)・ハイドロコロイド(傷口治療)・サムスプリン(副木)・応急ギブス君(骨折箇所の固定)・ポイズンリムーバー(ヘビ毒の去)・滅菌ガーゼ ・八つ折り三角筋 ・プラスチック手袋・テーピング ・バンドエド・穴をあけたペットボトルのキャップ(傷清掃用)

まだまだ入っていましたが、紹介された中でも初めて目にする物もあり、皆さん興味深げに手に取ったりメモを取ったりしていました。

実践では足首の骨折やねんざの応急処置として、サムスプリントで固定する方法と、新聞紙を10cm幅で折り畳んだものを代用する方法を試しました。後者は新聞紙を足底からふくらはぎまで当て三角布でわらじ結びをするのですが、経験の無いメンバーは手取り足取り教わることに。きっちり結ぶと予想以上に固定力が強かったです。
最後の最後に心肺蘇生訓練人形が登場。(名前はアニー?)数名の女性がトライしましたが、強さを保っちつつ1分間に100回以上のペースで心臓マッサージを行うのはとても大変!皆さん髪を振り乱して頑張りましたが、圧迫ポイントはずれるし弱いしでアニーは不満そうでした。

ここまで終わるともう夕暮れ時・・・朝9時からみっちり講習を受けましたが1日では時間が足りません。また来年もとお願いし、記念撮影後、講習会は終了となりました。この後、渡邊先生との懇親会が居酒屋で開催され、楽しい宴となりました。

教わったロープワークや救急法を即実践とはいきませんが、頭の片隅にあるだけでもいざという時の心構えが違ってきそうです。また、日常の山行で生かせる知識も沢山
ありました。後は自分でコツコツ練習するのみ(^^;ツエルトぐらいはきちんと張りたいものです・・・。
今回貴重なお時間を割いて下さった渡邊先生に心からお礼を申し上げたいです。
そして講師役として出来の悪い生徒に根気強く教えてくださったベテランメンバーの皆様にも感謝しております。本当にありがとうございました。
来年もよろしくお願いします!!

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