
日時 2012年1月7日(土)~9日(月)
メンバー: リーダT、Y、M、S、O
予定コース 1日目 大丸温泉→峰の茶屋→茶臼岳ピストン→三斗小屋温泉
2日目 三斗小屋温泉→朝日岳ピストン→三本槍岳ピストン→中の大蔵尾根テント泊
3日目 中の大蔵尾根ピストン→北温泉
実際のコース1日目 大丸温泉(1100発)→峰の茶屋(1345着、1411発)→那須岳避難小屋(1500着)
2日目 那須岳避難小屋(0830発)→峰の茶屋(0930着、1015発)→大丸温泉(1130着)
3日目 大丸温泉(0815発)→茶臼岳山頂(1015着)→大丸温泉(1157着)
猛烈な風が吹くことで有名な那須岳。容赦ない突風が吹けばバランスを取るのが精一杯。今回はそんな那須岳の厳冬期に上記メンバーが登頂を挑んだ。
7日(土)
冬型の気圧配置が崩れ、次第に好天が期待できる那須岳も現地に着けば雲に覆われ雪が降っていた。年始の登山者のトレースを期待して大丸温泉(おおまるおんせん)から登ったが、トレースはあまり見当たらない。最初はつぼ足でラッセルしたが、峠の茶屋からはいよいよ雪の量も多くなったため、ワカンを装備。東南稜の偵察に来ていた他の登山者3名(スノーシュー装備)もラッセルに加わった。100歩ずつ交代で各メンバーがラッセル。森林限界を超える1500m以上になったら、強風で飛ばされているせいか雪も少なくなったため12本爪アイゼンを装着。雪は終始降っており、標高を上げるに従い風も次第に強くなる。峰の茶屋跡避難小屋で小休止。避難小屋は本当の緊急時以外は使用禁止であり、中は強風のためか雪が多量に侵入していた。
降雪および強風のため、茶臼岳ピストンは断念し、三斗小屋温泉を目指すが、コルを過ぎてからいよいよ那須岳の強風も本気になってきた。口で息をするのもままならないほどの猛烈な風で、Tリーダーから習った耐風姿勢を時々とった。樹林帯まで降りると風は弱くなったが、今度はトレース無しのラッセル地獄。タイムリミットが迫っていたため三斗小屋温泉行きを断念し、那須岳避難小屋に泊まることになった。と言っても、誰も訪ねていない避難小屋にはそう簡単に泊まれない。入口付近の雪の除去、ドアの取手作り、トイレ作りなど行ったうえでようやくYさんの手料理(トン汁)にありつけた。外の降雪や強風とは無縁の避難小屋空間。荒天の中で温かい料理や美味しいお酒を飲み食いしながら談笑したのは至福のひとときであった。
8日(日)
三斗小屋温泉までのトレースがなくラッセルが不可避となったため、峰の茶屋跡避難小屋に戻り前日に断念した茶臼岳アタックを再度試みることになった。Yさん料理の玉子ぞうすいで体を温め、避難小屋を出発した。しかし、驚いたことに我々のトレースが一晩で消えてしまっている。進むもラッセル、戻るもラッセル。まさしく雪山の試練である。朝一番からのラッセルに苦しんだのもつかの間、樹林帯を越えると前日よりも強い風に苦しむ。峰の茶屋跡避難小屋に着いても、降雪・強風はやむことがないため、茶臼岳アタックは中止。
一反大丸温泉に下山し、英気を養うために温泉に浸かり酒を調達することになった。温泉は湯治場として有名な「鹿の湯」。体を石鹸で洗うことはできないが、硫黄の香る湯船につかり、凍てつく寒さで冷えた体を温めた。
再度大丸温泉に戻り、6人用テントを設営。外張りやフライシートの違い、テント内生活のイロハを教わりながら、Sさん料理のキムチギョーザ鍋を頂いた。夜空を見上げると、星空や満月が浮かんでおり、降り積もった雪や那須の山々を幻想的に照らしていた。
9日(月)
テントをあけると雲がなく、無風で晴天。最終日3度目のアタックで、茶臼岳登頂が期待できる。Sさんの料理(ラーメン)を急ぎ食べ、不要な装備は車にデポし、サブザックで登頂に挑んだ。天気が良いせいか、登山者も多くトレースもバッチリであり、歩きやすい。順調に峠の茶屋、峰の茶屋跡避難小屋を過ぎ、いよいよ茶臼岳も目前にせまった。稜線から見える那須の街や雪をかぶった山々が、とても美しく思わず声を上げる。そして、地球の息吹である、火山ガスの噴出音を聞きながら、ついに茶臼岳山頂に到達。集合写真を撮り下山しはじめたところ、ちょうど風が出始めたため、足早に下った。大丸温泉まで下山したころに那須岳を見ると雲に覆われ、雪が舞っているようであった。
2日間とも雪や強風に苦しめられ、3日目午前中のみに天気が回復したことは、奇跡とも思えた。
雪山企画参加は初めてであったが、那須岳の強風、避難小屋やテント内の生活、そして茶臼岳登頂を経験でき、たいへん有意義な山行であった。
Tリーダーをはじめ、メンバーの皆さま、3日間たいへんお世話になりました。
次回もよろしくお願いいたします。
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- 2012-01-17
- 縦走
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