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笹山・広河内岳・農鳥岳・間ノ岳・北岳

メンバー : TJ(リーダー)・S・T
日時 :  2012年7月14日~16日
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行程  :
【1日目】 甲府駅4:00⇒広河原7:40⇒奈良田 笹山東尾根取り付き9:30~笹山南峰16:50
【2日目】 笹山(黒河内岳)6:00~白河内岳~大籠岳8:30~広河内岳10:30~農鳥岳13:00~農鳥小屋14:20
【3日目】 農鳥小屋6:00~間ノ岳7:20~北岳山荘9:20~北岳10:20~北岳肩の小屋11:45~白根御池小屋13:00~広河原14:30

1日目:初日から正念場、標高差2000m頑張って登る!
甲府からバス乗継ぎ4時間あまり、ようやく奈良田に辿り着いた。広河原は人だかりの大混雑だったのに奈良田行バスに乗り込んだのは私達を含めたったの6人。静かな山歩きが期待できそうだ。
奈良田湖の吊橋を渡り登山口を目指すが、川が増水し道が寸断されている。浅い所を探すがどこも膝までありそうで渋々靴を脱ぎ渡渉する。水の勢いがあり結局膝上まで濡れてしまった。これで30分のタイムロス、先を急ぐ。登山口から長い長い樹林帯の急登が始まる。この山はどこまでも登りが続き勾配がどんどん増す。なかなか水平にならないし下りは全くと言うほど出てこない。見上げても稜線が見えずただただ覆い茂る木々が見えるばかり。迷いはしないが所々踏み跡不明瞭。蒸し暑さに加え重荷がずっしり肩腰にかかり足がどんどん重くなる。しかし先頭を歩く“燃える炎のボッカ人”のリーダーはテントを担ぐも絶好調。最初に弱音を吐いたのは私で水を1リットル捨てる宣言するも、もったいないからとリーダーが引き取って下さる。途中水場があったが、急坂を相当下りるらしく前を歩いていた家族連れがヒーヒー言いながら戻ってきて倒れこんだ。ここはリーダーの事前偵察済でキツイ事がわかっており当てにせず担いで来て正解だ。水場の後には厳しく長い急登が待っていて、皆会話もままならず黙々と足を前に進める。倒木も多くくぐってもまたいでも体力消耗する。2時間程たって気づくとSさんが急な登山道でオネエ座りをしている。どうやら足が攣ってしまったらしい。こりゃ大変だと漢方薬を飲み、靴を脱いでTのヤブ治療開始。グイグイふくらはぎを伸ばしなんとか回復?ここでリーダーがSさんの水も1リットル負担して下さりなんとか先を目指す。
2300m付近の窪地が狭いテン場になっており、家族連れは「もう限界です。」とテントを張っていた。私達は「限界を超えました!」と言い残し先に進む。「何時になっても頂上まで行くぞ!」と気合を入れ直し、もはや気力だけで最後の急勾配を登り切り頂上に飛び出した。木々に囲まれた小さな山頂には男子2人組の先客がいたが、後は誰もおらず中心にテントを張る。17時頃トレランナーが1人山頂を横切って行ったがあとは誰も来なかった。静かな山頂で3人の話し声だけが響く。アルコールとおつまみで寛ぐと全員お腹が満たされてしまった。皆疲れ過ぎたのか食欲激減。夜には風が強まり雨もパラついて来た、ラジオを聞くと下界は猛暑晴天雷雨、、、。明日の山のお天気が心配だ。

2日目:突風と道迷い、でも頑張って歩く!
4時に起床、夜中に風が吹き荒れ轟音とテントのボディーブローで寝不足気味。今朝も風が激しく稜線をまともに歩けるか心配だが様子を見ながら大門沢までは行ってみようという事に。男子2人組も行ける所まで進みますと先に出発していった。
歩きだして間もなく笹山北峰に到着。晴れていれば素晴らしい眺望らしいが、今日は流れの速い雲と霧に覆われ山々が見え隠れ、残念だった。白河内岳までは一度下り樹林帯に入る。風が避けられほっとする。地図上は難路となっているが思ったより踏み跡があって分かり易い。ただ、安心して歩いていると獣道にハマったり、ハイマツに行く手を阻まれ漕ぐ羽目になったり、しっかり地形図を見て歩かないと明後日の方向に行きかねない。リーダーの知識と経験で修正しながら先に進む。白河内岳手前で森林限界を迎え再び突風にさらされる。ここからは幅広~い尾根が続く。これが曲者で方向感覚が失われてしまう。登山客は誰もいない。私一人だったら遭難確実。Sさんも泣いてしまうと断言。場所によっては二重三重稜線になっており、いつどこで乗り換えるのか見当がつかない。曇りがちで視界も悪く増々緊張する。白河内岳山頂は図らずして巻いてしまった。正直この突風の中行きたくなかったのでほっとする。幾度となく立ち往生しリーダーが慎重に地形図を見直す。方向が定まっても道を見つけるのが困難でハイマツを漕いで踏んづけ 時に道なき道を行く。途中テンに遭遇し気分が和むが、つられて道を外したようでハイマツ交じりの岩場をトラバース、油断禁物!
地図には大籠岳まではケルンに従えとなっていたが、大小ケルンが各稜線に点在しどれを辿ればいいか分からない。霧が濃くなると離れたケルンは見えず、岩の突起と見分けがつかない。不安なときに見えると安心する程度のものと考えた方がよさそうだ。
リーダーの的確な判断で無事大籠岳を通過。ここから先は私にとっては人生最大級の突風との戦いになった。広河内岳までの尾根上で北西の強風をまともに受けなかなか先に進めない。岩につかまり必死に耐える。タイミング悪く歩き出すとリュックごと体を持って行かれる。Sさんは一瞬空中遊泳し尻もちをついたらしい、無事でなにより。時に四つん這いになり、腰をかがめながらゆっくり前進。休み休み行ったが大門沢に着く頃には全員ぐったりしていた。先に進むか迷ったが、農鳥方面から人がぞくぞくと歩いてくるのを見て大丈夫だと判断。すれ違う人との会話は風のことばかりだ。
実線ルートに入ると人が増えおなじみの景色となる。ただ驚いたのは農鳥岳山頂手前に大雪渓が残っていたこと。そして農鳥岳から西農鳥岳間の尾根沿いに真っ白なハクサンイチゲやイワベンケイ、ピンクのミヤマシオガマが咲き乱れそれは見事だったことだ。西農鳥付近でも最大級の突風に襲われたが、お花のお陰で気持ちが和み頑張れた。
農鳥小屋に着いた時点でまだ風は止まず体はボロ雑巾状態。北岳山荘まで行くのは断念し受付へ直行。暴風でテントを張るのも一苦労。夜通し突風は吹き荒れテントを縦横に揺らし、いつか離陸しないか本気で心配だった。この日も全員熟睡できず。

3日目:最終日、お花畑のフィナーレ。
4時起床、風は一向におさまらず濃霧で湿度100%の状態。リーダーのめがねが真っ白にくもり、北岳まで私が先頭で行く。相変わらず風に押されよろよろ進む。間ノ岳山頂付近、そして北岳山荘周辺も雪渓が残りキックステップで進む場面も。残雪には驚かされたが、お陰で花の時期が遅れたようで山道の左右には白、ピンク、紫のお花が常に出迎えてくれる。お天気は徐々に回復し北岳を目指す頃には風も弱まり快晴に!お花の群生に励まされながら疲れた体にムチ打って北岳山頂に到着。眺めが最高で気持ちいい!何度来てもいい所だと皆で360度の眺望を堪能する。
しばしのんびりしたが15時のバスに乗らねばと下山開始。残雪の心配があり草すべりコースを選ぶ。時間があれば登る予定だった 小太郎尾根分岐を見送る。今回は余裕が無く断念。次回はアサヨ峰や甲斐駒とセットで登ろうと早くも盛り上がる。草すべりは辺り一面ミヤマキンポウゲ(?)の群生で一面黄色の世界。あまりの素晴らしさにシャッターを切る。
高度が下がるとお花も終わり気温がぐんぐん上昇してくる。白根御池のテン場が見えてからが長く下りが苦手でスタミナ不足の私はスピードダウン。途中大樺沢のコースが見えたがしっかり雪に覆われていた。あちらも大変そうだ。リーダーとSさんにガンバコールを受け御池小屋に辿り着くとちょっと休憩。この先は樹林帯に入り涼しくなったが思ったより急な下りで疲れた足に 負担がかかる。人も増え渋滞してきたが私には抜き去る体力無し、バスに間に合うだろうか・・・。心配しているとリーダーが先に下山して交通や温泉など帰宅の手筈を整えて下さるという。ありがたい!お言葉に甘えてお願いするとあっという間に視界の人々をごぼう抜きし姿が見えなくなった。強靭な体力に唖然・・・。一方私はSさんに助けられおんぶにだっこ状態でカメのように下山。それでもコースタイムは30分短縮、許して下され。私達より40分早く広河原に到着したリーダーは最善の帰宅方法を調べ尽くして下さっていた。熱中症になりかけながらも駆け下りて下さったリーダー、並びに私に付き添い助けて下さったSさんに大感謝。お蔭様で時間内に無事下山できた。

帰りは甲府行バスを途中下車し芦安温泉の“岩園館”へ。日帰り入浴1000円だが源泉かけ流し、広い露店岩風呂が気持ちよかった。ただ食事の提供は無し。腹ペコ状態で再びバスに乗りこみ甲府駅のレストランへ。各々お肉を頬張った。みんな痩せましたね。

今回の山行はベテランのお二人に助けられ貴重な体験を沢山しました。テントでやりたい放題の時間はとっても楽しかったです。白峰南嶺はやたらに人を寄せ付けない厳しさがある分、晴れれば眺望が素晴らしく静かな山歩きが楽しめます。でも初心者だけでは絶対に無理なコース。リーダーは数回歩いているそうで素晴らしい判断力に助けられっぱなしでした。ありがとうございました!
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