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1合目からの富士山

2012年8月4日(土)~5日(日)
メンバー:OG(L)、Y、O、T
s-富士山

コース:
富士急行 富士山駅 809m(13:00着)=北口本宮冨士浅間神社(13:25~14:00)=馬返し 1430m(14:40)~2合目 冨士御室浅間神社本宮(15:20~15:30)~4合5勺 御座石(16:40~16:55)~佐藤小屋(17:38~18:30)~吉田口6合目 富士山安全指導センター 2390m(19:15)~ ※花火見物(20:00~20:40)~8合目 3100m(22:00)~本8合目 3400m(23:45~0:05)~9合目の鳥居 3580m(1:30)~吉田口山頂 3720m(2:33着)
吉田口山頂(日の出4:46/~5:35)~ T:3400mまで先行下山 ~剣が峰 3775.6m(7:15~7:30)~ Y、O:お鉢巡り/OG:下山 御殿場口頂上(8:00)~8合目 3400m(8:45)~7合9勺 赤岩八合館 3290m(8:55)~7合目 日の出館 3030m(9:30~11:25)~宝永山 2693m(12:45~12:55)~宝永山荘 2490m(13:55)~富士宮5合目 2400m(14:15/14:30発バス)=温泉「花の湯」(15:25~17:30)=反省会「すぎやま」(17:45~18:50)~JR 富士宮駅(19:03発JR)

○ 登り 標高差:2350m、行動時間:12時間(内 休憩が2時間30分程度)
○ 下り 標高差:1380m、行動時間:8時間30分(内 休憩が2時間程度)

初めて登った時の快晴の富士山からの展望が忘れられず、私にとって富士登山はこれが4回目。
登山を始めて今年で5年目、毎年恒例の様相を呈してきた富士山です。

去年、須走~山頂~御殿場で夜間&ご来光登山をし、登山者の渋滞事情もわかっていたので、今年は吉田口1合目からにしてみた。
古くからの登山道を、山の歴史を感じながらのんびり登って、渋滞が始まる前に登頂を目指す計画。
メンバーは、初富士山のYさん、2度登ってまだご来光が見られていないTさん、富士登山2回目のOちゃんとの4人。
皆、吉田口1合目からは初登山となる。

13時に、富士山駅に到着。
まずは乗り合いバスで北口浅間神社へ。安全祈願のお参りをし、30分ほど滞在した後、「馬返し」登山口へ移動。
14:40、身支度してから、狛犬ならぬ狛猿が迎えてくれる石鳥居をくぐって登山スタートとなった。(猿は山に住み里に来る動物なので、山の神の使いとされている)
鳥居をくぐると、すぐに「禊所(みそぎじょ)」となる。ここは、大正時代に登山者がお祓いを受け、身を清めていた場所だそう。富士山の登山道には、信仰の現場であることを実感するこういった場所が、たくさんある。
渋滞する登山道ばかりが富士山ではない。

10分も進むと1合目の鈴原神社に到着。昨年は震災の影響で、鈴原社の石碑群が倒壊したり、石鳥居も壊れかけていたそうだが、どちらもきれいに直されていた。
そのまま道を進むと、2合目の冨士御室浅間神社の本宮(無人)が見えてくる。河口湖にある里宮の立派さとは正反対の社だ。ここも、震災の影響か拝殿が傾き、立ち入り禁止になっていた。
シモツケソウにキンレイカ、ノリウツギにソバナやカニコウモリなど、少ないながらも山麓の花々が目を楽しませてくれる。

登山道は途中、細尾野林道と交差。そこから細尾野林道を東に入ると「女人天上」というところがある。今回は寄らないが、ここも女性の登山が2合目までで規制されていた江戸時代に、2合目からでは展望がなかったために富士山遙拝のために作られた場所だ。
「女人天上」はダイヤモンド富士の撮影スポットにもなっていて、1月7日~10日に、山頂に沈む太陽が見られる。1年半前、ダイヤモンド富士を見に来た時は、軽アイゼンがいるかいらないかくらいの積雪だったのを懐かしく思い出す。

そしてここから先も、富士信仰の歴史スポットが続く。

江戸時代、茶屋が2軒営業していたという、3合目「三軒茶屋(中食堂)」。2軒でも、なぜか地名は“三軒”茶屋。昔の人が上吉田を早朝に出発すると、ちょうどお昼時に見晴らしのいい場所となるのがここで、別名「中食堂」。いわゆる昔の登山者のランチスポットで、お昼は眺めのいいところで食べたい心情は今も昔も一緒なのだなと思いを馳せてみる。現在のこの場所は、廃屋がそのまま放置されていて、少々不気味なかんじ。昼間はいいが、夜には歩きたくない。
4合目「大黒天」。山小屋が1軒あって、大黒天像を祀っていたことから。福の神として、富士講の人に信仰されていた場所だそう。4合5勺にある、神の依りつく石をさす「御座石」は、戦国時代にはすでにこう呼ばれていたという由緒ある場所。江戸時代では2合目以上は女人禁制だったけれど、戦国時代は、女性はここまで登れたそうだ。
5合目の「中宮」。江戸時代に、ここにあった小屋が登山者から入山料を徴収していたのが、後に麓で前払いするようになり、支払い証明の登山切手をあらためる場所となったのだとか。

そんなうんちく看板を読み読み、シャクナゲやギンリョウソウが咲く、よく整備された道を登れば、やがて富士山雲切不動神社があらわれ、佐藤小屋まではもう少しとなる。

ここまで来ると、急に人が増える。
宿泊客でごったがえす佐藤小屋で、高度順応のため大休止。小屋ではヒインコが飼われており、これがよくしゃべって可愛い。Yさんと私は、インコで遊んでいたら1時間近い休憩がそれだけで終わってしまった。

小屋の外に出ると、一日変わらずの快晴の空が広がり、気持ちがいい。徐々に暮れていく景色を眺めてから、再び歩き始める。

19:15、富士山安全指導センターに出る。
ここは富士登山のメッカ・スバルライン吉田口5合目からの合流点となるので、一気に人が増える。老若男女、一般登山者からツアー客、自衛隊員、着ぐるみ着用者までいろいろ取り揃っているが、まだ渋滞するほどではない。

20:00からは、山麓の各所で花火大会。
今回は、これも楽しみの一つだった。眼下に色とりどりの花火が上がるのが見える。この日は雲も風もなく、最高の花火日和…もとい登山日和で、花火大会も4~6カ所で開催されているらしく、遠くは相模湖?方面の打ち上げ花火や夜景が、たっぷりと見られた。

20:40、まだまだ花火の打ち上がる音が聞こえ名残惜しいが、渋滞にはまる訳にはいかないので、先に進む。
ここからは、夜景と小屋の賑わいで気を紛らせながらの長丁場となる。これでガスっていたりなんかしたら苦行以外の何ものでもないが、この日の天気は崩れる気配すらない。
5合目までの様子とは全く違う、眠らない山・富士山の姿を目の当たりに、ひたすら観光地然とする中を、黙々と登る。Tさんが、めっちゃ元気。

本8合目の小屋からは、深夜出発するツアー2団体に当たり渋滞が始まる。細かに休憩をはさむが、自分のペースで歩けないのと、襲い来る眠気とでだんだんバテてくる。土埃も激しくコンタクトレンズでは辛くなり、眼鏡に変更。そして、ひたすら登る。Tさんが、めっちゃ元気。

2:33、ついに吉田口山頂に到達。
スタートしてから12時間。予定より少し遅くなったが、場所取りには間に合った。最前列の角にスペースを確保しツエルトを広げ、中でラーメンタイム開始。暖もとれて一石二鳥だ。誰も仮眠することなく、盛り上がる。
ついでに毎回、頂上小屋で600円のインスタント汁粉を食べたくなる(食べてしまう)ので、今回は自分でミルク善哉を作ろうと準備してきた。小豆缶と牛乳と餅で約1.5kg。 が、缶切りを忘れてあえなく撃沈。 次回でリベンジしたい。

気づくと外では、すでにうっすらと朝焼けが始まっており、オレンジと藍色が交差する空には、オリオン座と牡牛座に金星と木星が並んで美しかった。
その下には、遙か遠くまで輝く街の夜景と、登山者のヘッドランプの灯りが連なっている。 個人的に、これがいつも富士山で一番印象に残る景色だ。

日の出が4:46。その後も30分ほどのんびりしてから、剣が峰に向けて出発する準備をする。

ここでTさんに高山病の症状が出てしまい、頭痛がひどく、とにかく標高を下げれば治るとのことで、先行して適当な所まで下山してもらうことになった。標高が3000mを超えると十中八九なるのだそうで、登りの時の元気ぶりが嘘のようだ。
聞くと、Tさんの肺活量は4100mlなんだとか!(女性平均2300、男性平均3500)どんな高山にでも行けそうな肺の持ち主…にも関わらず、なんという宝の持ち腐れ。 高山病は、個人の身体能力には関係ないのだろうか。

小屋で山バッチに日付を刻印してもらってから、3人で剣が峰を目指す。
トイレ行列で時間のロスはあったが、7:15に剣が峰3775.6mに到着。ここでも記念写真を撮るための行列ができている。
素晴らしい眺望を楽しんでから、お鉢巡りをするYさん・Oちゃんと別れ、私はTさんと合流するべく御殿場コースから下山を開始した。

下山中、すれ違う登山者にはビーサンにショートパンツの外人から、ミッキーマウスやらパンダやら、「(鳥の)散歩にきました」と言うハリスホーク(鑑賞用猛禽類)を連れた人やら、他の山では考えられないような様々な人がいる。
富士山はやっぱり独特だ。

この日は、『富士登山駅伝競走大会』にも当たり、御殿場コースでは10:30頃から続々とランナーが駆け上がってくるようになる。麓の御殿場市陸上競技場から山頂までの標高差3199mを、6区間に分けて駆け抜ける競技で、上位ランナーはものすごい勢いで走って来る。当会のTJMさんやYMDさんなら、十分参加資格がありそうだ。
7合目でお鉢巡り組を待つ間は、仮眠をしたりランナーの応援をしたりしながら過ごした。

11:20、4人が揃い、宝永山に向け出発。砂走りの道を、土埃を巻き上げながら下る。
振り返れば、富士山が真っ青の空の下、どっしりと存在している。昨日今日ともに、今まで富士山に登った中で一番の好天だった。 宝永山の赤い山肌も見事だ。

残り時間も考え、下山は当初の予定の須山口1合目ではなく、エスケープルートに考えていた富士宮5合目に変更。
順調に宝永山荘まで下ったところで、Yさんの機転で、小屋のおばちゃんから温泉の割引券をゲット。
登山道脇にはシカの群れ。テンションアップ。
14:15、下山完了。

温泉でゆっくり汗を流し、富士宮駅前で富士宮焼きそばを食べてから、帰路についた。


急な計画にもかかわらず乗って下さった、Yさん・Tさん・Oちゃんに 感謝。

実質24時間の山行も、密度の濃い一日となり、大満足。
次は、海抜0mから 本命の村山古道を歩いてみたいです。
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