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レベルアップ企画春の雪山訓練

目的:レベルアップ企画 雪上訓練
日程:2014.4.19~20
集合:両日ともJR土合駅 9:00AM
講師:TE(CL)、KA(SL)、OB(SL)
受講者:19名
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■4/19、1日目 曇り/晴れ(9:00AM土合駅集合)
今年度からのレベルアップ企画の第一弾、春の雪山訓練が始まった。
光が丘駅で鈴木さんと合流して土合駅に向う。駅では、前泊組のKAさん、OBさん、MIさんがおられ、すでにKAさんとMIさんが、大阪コンテ方式を練習中。意気込みが感じられる。その後、TE号、TA号が到着し、前泊組と合流して登山指導センターまで車と徒歩で移動した。

登山指導センターからマチガ沢までの林道は、歩き始めは雪もなく進むが、所々に雪が残っておりデブリの跡もあった。林道は、除雪作業中で作業を中断して通していただいた作業員の方々に、感謝、感謝である。
路肩には所々に「ふきのとう」も見られ、皆さん、帰りの山菜取りの下調べをしながら歩を進めた。

沢の出合いからマチガ沢に入ると、さっそくTEさんから沢に積もった雪上の歩く位置を教わる。我々は先行の訓練中のパーティを見過ごし、その先の斜面前を訓練場とした。
早々に講師の指示でフィックスロープを2本と歩行訓練用の旗作りに取り掛かる。フィックスは基本的には、立木を利用、ただ訓練であることから上のロープの片方は、1mのキノコ雪にロープをかけたアンカーを作った。

訓練は、初心者班(入会した冬山希望者は、12月と4月の雪山訓練を過去の経験有無にかかわらず初心者班として訓練)と経験者班の2班に分かれ、初心者班の講師はKAさん、経験者班は、TEさんとOBさんとでスタートした。

(1)歩行練習
初心者班、経験者班とも、最初は歩行訓練である。四辺形の隅に立てた赤旗を目安にトラバース、直登、斜歩行などのツボ足歩行。
雪面はザラメ状で春特有の雪質、直登しても足が流れる。「足を強く蹴りこむように」KAさんの声が飛ぶ。12月に訓練した天神平の雪質と全く異なり、初心者班にも戸惑う人たちが見受けられた。

(2)アイゼン歩行訓練
同じコースをアイゼンで練習。アイゼンの裏に雪が付く人も出る。KAさんが「ピッケルで叩いて落とすように・・」。時間が経つつれ、雪質は悪く腐ってくる。
どんな雪質においてもバランスを崩さずに歩けるように努力精進する必要がある。

(3)滑落停止訓練
昼食を挟んで滑落停止訓練に進む。コースに入る前に、平場でピッケルを使った滑落停止方法と耐風姿勢の方法について学ぶ。どちらも間違えれば命・けがに係わる手法であることからKAさんも丁寧に教えておられた。

滑落停止のコースとアンカーは、経験者班の方々に作っていただいたものを使用。時間短縮ができたぶん十分に滑落停止訓練(4~5回/人)ができた。

しかし、雪質が悪く、ソリなど使わないで滑るが止まらない。下のフィックスロープ位置まで流される。ピックでは止まらないので石突きで試すも止まらない。結局、足と膝を使ってスピードを落すしかないようである。実践ではどんな手段を使ってもスピードが出る前にとにかく止めることを第一とすべき。スピードが出てからでは、遅すぎるので、常にこのことを身体に覚え込ますためにも、毎年の訓練参加は必要だと思う。

今日の訓練はここまでと思ったら、「経験者班の掘ったタコ壺見学をしないか」の声に初心者班は喜んで見学、「これを20分以内で作るのか?」不安がよぎる。しかし、そこは経験者班、見事に作っておられました。
その後、施設を撤収し、帰りに「ふきのとう」を摘んで土合駅に引き上げ、さらに水上のサンモールへ夕食の買い出しに行く。

夕食は、ふきのとう、サツマイモ、マイタケなどの天ぷらを酒のつまみに宴会。
ビール、日本酒、焼酎、ワイン(赤、白)などの持ち込み品で大賑わいである。MIさんの中国土産「鳥の足」、OBさんのチーズ、御馳走様でした。
そのうち、KI号、HA号、MO号が到着し、2回目、3回目の乾杯でますます盛り上がった。ちなみにこの夜の待合室は、灯会の貸切で夜遅くまで宴を催すことができた。

■4/20、2日目 小雨/曇り時々晴れ(9:00AM土合駅集合)
早朝小雨、今日の訓練が気になる。9:00前に吉野号が当直、今日は全員が4台に乗車して登山指導センターに向かう。

林道は、昨日の除雪作業で雪は、少なくなっていたが、除雪後の道にデブリの跡があった。春は、この繰り返しかもしれない。除雪作業の方々、またまたご苦労様です。このころから小雨が曇りになり訓練に支障がないことを確信。

昨日と同じルートでマチガ沢に着いたが、今日の訓練のために目星を付けていた場所は、先行パーティが占領していたため、昨日と同じ場所に、同様のフィックスロープと赤旗および滑落停止訓練用のアンカーを確保する。今日は、人数が多いため、施設は短時間で作ることができた。
今日の班は、2日目の初心者班+経験者と日帰り初心者班とに分けて行われた。

(4)滑落停止訓練
デッドマンとスノーバーを用いたアンカー作りをOBさんから教わる。デッドマンは、45度の角度で差し込み、ワイヤーは溝を掘ってカラビナ経由でスリングに掛ける。訓練は、昨日と同じコースで行われた。雪質も昨日と同じでやはり止まらない。各人3回の訓練で終了。施設は、日帰り班のために残す。

(5)たこ壺掘り訓練
たこ壺掘りは初めての経験である。TEさんからタコ壺のおおよその形を教わり、OBさんから「20分以内に掘るように」との指示。
掘削開始、しかし進まない、やはり短時間で掘るコツがあるようだ。時間が経つにつれて、大ブロックより小ブロックのピッチ掘り法(回転数を増やす)が短時間作業に向いているように思えてきた。何とか20分以内に全員が掘ることができ、OBさんから一応合格のサインがでた。

しかし、掘る場所によっては、木の根が出た人もいたが、場所の選定と、根が出た時の対応方法を身に着けなければ、実践に使えないような気もした。

(6)埋没体験訓練
今日の撤収予定は14:30。残り時間もないことから、ビーコン訓練は、雪がなくても訓練ができるので、未経験者のために埋没体験訓練をすることにした。

埋没体験は、深さ約70cm、身長ほどの長さの穴を掘り、そこに人を埋めてプローブで突き刺し、埋っている人に当たった時の感覚を養うことと雪に埋もれた状態を自ら体験する訓練である。そこは、疑似体験であることから、埋没者の頭箇所は保護し、無線機で会話が可能な状態で行うものである。

最初の犠牲者は、たまたまOBさんと目があった私が指名された。実際、埋ってみると体を動かすことも出来ず、5分もすると冷えてくるのがわかった。また、プローブで刺される感触も理解することができ、貴重な体験をすることができた。

その途中から空が曇りから青空に変わるとマチガ沢の先に谷川岳を眺めることができ、今日、登頂を目指しているTAMさんとTAKさんとの無線交信が始まる。両者が無事登頂し、下山中であることを知ると、皆が「おー、やったー、よかった」などと喜んでいた。
経験者の皆さんは、1日目を訓練日とし、2日目を谷川岳もしくは白毛門などの登頂をメニューに加えて実地訓練を積むことも必要ではないかと思いました。その意味で今回のTAMさんたちの登頂は、意義のあったものと思われる。

(7)けが人搬送訓練
YOさんに搬送者を引き受けてもらい、雪山でのツエルト+銀マットとロープを用いたけが人搬送の訓練を行った。OBさんから「ロープで足をまくときは、アキレスけんに気を付けて巻くように」、TEさんからは頭部分の処理方法などを教わり、6人でYOさんを搬送する。斜面の移動では、山側の担ぎ手に力が必要なこと、移動時は6人のバランス加減など貴重な体験ができました。

初心者班も訓練メニューを終了して14:30にすべてを終了し撤収、その後、土合駅まで車で戻り、レベルアップ企画第一弾である春雪山訓練を終了した。

皆さん、お疲れ様でした。
 
今回の訓練を振り返ると、幸いにして2日とも天候に恵まれて、訓練計画を終えることができ、充実した訓練になりました。

12月と4月の雪訓では、雪質も違い歩行時のバランスの重要性と滑落時の停止方法を体で覚えることの重要性を感じました。そのためにも年2回の訓練には、時間と体力の許す限り参加して技術を養いたいと思いました。

また、前記しましたが、経験者の実地訓練として、天候の許す範囲で谷川岳などのピークハントがあってもよいのではないかと思いました。

最後に講師の皆さん、お忙しい中で時間を割いて訓練していただきありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。

以上
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