日程:2014年6月15日~16日
メンバー:M(L)、S、K、T

行程:【1日目】西沢渓谷入口(5:00)~二俣吊橋(5:50)~東沢渡渉地点(6:05-6:35)~鶏冠山登山口(06:40)~チンネのコル(8:40-8:55)~第一峰(9:15-9:25)~第二峰(9:45)~鶏冠山(第三峰10:33-10:55)~2177m(12:50-13:00)~木賊山(14:40-15:00)~甲武信小屋(15:15)
【2日目】甲武信小屋(5:20)~甲武信ヶ岳(5:35-5:45)~甲武信小屋(5:55)
小屋発(6:15)~笹平(7:10-7:25)~破風山(8:05-8:20)~東破風山(8:44)~雁坂嶺(9:25-9:40)~ 雁坂峠(10:10)~沓切沢橋(11:35)
○6/15 西沢渓谷から鶏冠山を越え甲武信小屋へ
今年も山梨百名山の難関ルートに挑む日がやってきた!西沢渓谷にほど近い民宿に前日入りしゆっくり体調を整えたつもりだが、グルメに温泉で体が鈍った感あり、頑張らねば。宿の車で西沢渓谷入口に5時に到着。お天気は快晴で全く問題ないが、ちょっと肌寒い。50分ほど遊歩道を歩き徳ちゃん新道を見送って二俣吊橋へ。吊橋の途中から鶏冠山の全貌が見え思わず足を止める。ギザギザと尖った3つの岩峰、あの上に立つんだ!と気合だけは十分。橋を渡りきると直ぐに「鶏冠山→」の小さな看板があり、遊歩道を離れ東沢沿いの林道を歩く。標識に従って河原に下りると 反対岸の木の幹に小さなプレートが見えた、渡渉地点に到着したらしい。幅は3m弱、梅雨時にしては水は多くなさそう?防水靴下+ストック:2名、折り畳み上履き紐巻き+ストック:1名、ゴム付きビーサン+木の枝:1名。みんな万全(?)の準備をし川に入る。膝まで濡れたがそれほど冷たく感じず、水流も穏やかだった。ほっとしたところで朝食タイム。
食事が終わり、後は登るだけだ!と気持ちも胃袋も大きくなったところで出発。鶏冠谷の岩ヘリを慎重に行くと直ぐに「鶏冠山登山道」の看板があり尾根に取りついた。木の根道の尾根は勾配がどんどん増していく、しかも長い。1時間ほどたちキッツイな~と思う頃ようやく樹林帯を抜けた。国師ヶ岳が見える。あれっ、道が無くなった?一同キョロキョロ、節子さんがロープがある!と指差す。よーく見ると前方斜面に色褪せ保護色と化したトラロープがぶら下がっていた。今にも切れそう・・・、誰一人ロープに触れず崖を登る。地形図の予習通りトラバースしチンネのコルでひと休み。その先岩が出てくると、いきなり行く手にどーーんと第一峰が現れた。ここから鶏冠部分の始まりだ。富士山を見ながら気合を入れ直し、いざ出発。第一峰は足場がしっかりしており鎖に頼らず楽々クリア。しかし下りは足元が見えず、手の掴みも怪しく少々苦労する。第二峰手前ではロープを回収するソロの登山者に遭遇。鶏冠山から下って来たようだ。確かに高度感があり鎖はトップから中間までしか無い、明確な足場が無くどこから登ればいいか迷う。(下りに使うのは絶対に嫌だ!)リーダーは僅かな突起を利用して鎖に頼らず上がって行く。他3名は角っこの細いクラックに足をねじ込み立ち込んで鎖を利用し上へ。ちょっと行くとまたもや岩が出現。距離はわずかだが下部はえぐれ足場が無い・・・。横にボロキレを巻き付けた丸太が立てかけてあり、どうやら股を開いて丸太と岩の側面を利用して上がれということらしい。腕の力を使いエイヤッと体を引き上げなんとかクリア。
目の前の第三峰は一段と高く急峻で上部が確認できないほど。ほとんどの人が迂回路を行くせいか鎖が無い。興味津々でリーダーは偵察に行ったが、ここは安全第一で迂回路を行く。垂直に近い坂を後ろ向きに下り、トラバースしてまた登り返す。ちょっと登山道を戻る形でひと登りするとパッと明るく眺望が開けた。鶏冠山山頂だ!!
握手を交わしノリノリで写真撮影。奥秩父や山梨の山々を眺めながら暫し休憩。
後ろ髪を引かれる思いで山頂を後にする。ここまでで本日の行程の3分の1、前方の木賊山と甲武信ヶ岳はまだまだ遠い。シャクナゲが左右に咲き、斜面にはイワカガミの花園が広がる。ピンクの世界が広がり可愛らしい。しかし30分も歩くと道は荒れ、シャクナゲが道を塞ぎ、倒木が行き手を阻むようになる。両手で枝をかき分け、脇にさしたストックに絡みつく枝を振り切り、丸太をくぐったり乗り越えたり・・・アップダウンが続き気温も上昇、気力も体力も消耗し正にシャクナゲ地獄!前後から「イタッ!」、「勘弁してよ~。」と声があがる。大丈夫ですか?と言いながら自分も「イタタッ!」頭も足もアザだらけ間違いなし。 2177mピーク手前で同コースを歩いていた登山者達とすれ違う、みんなピストンで帰るらしい。ここからは先はもう誰もいない。
2177mより先はルートファインディングに苦労する。 尾根を行くか巻き道を行くか・・・迷うたびに先頭のリーダーと後方のKさんが偵察に行く。お二人の素晴らしい采配でうまい具合に巻き道を利用できた。体力も時間も省エネで行きたいので助かる。途中で切れ落ちている尾根もあり行かなくてよかったーとホッとする。それでも荒れた道と急勾配は続き疲れはピークに。
木賊山直前で踏み跡が分からず3方向どちらに行くか迷う。全員で目を凝らすが分からず、木賊山の方向を考慮し左(真北)を選択する。これが大正解で赤リボン発見!バッテリーが復活したKさんのGPSをチェックしてゴール直前と分かると気持ちも足も軽やかに復活、やがて勾配が緩くなり明るい青空が見えてきた。太いしっかりした道が目の前に現れ、登山道だ!ヤッターッ!!と思わず叫んでしまった。ふと左を見れば木賊山の看板が見える、ここしかないドンピシャの位置に出て来たのだ。またまた感動!木賊山山頂のベンチに座りしばらくゆっくりした。気づけば手袋は穴ぼこだらけ、パンツの裾と足首には泥や葉っぱがこびりついていた。埃を払って靴を履き直しリセットする。ビールが飲みたい、コーヒーもいいいな、みんな笑顔になり甲武信小屋を目指す。
徳ちゃんが受付に現れSさんが名前を告げると、「鶏冠山の人たちか、ちゃんと木賊山の横に出た?元気でいいねぇ。その割には汚れてねぇな。」と言って熱いお茶を入れてくれた。さっきまで汚かったっしヘロヘロですとは答えず、愛想笑いをしてお茶をいただいた。シャクナゲの時期だからか日曜日にも関わらず小屋は満員。薪ストーブを囲んでビールやコーヒーを飲み、名物(?)カレーを食べ、19:30には就寝。
○6/16 甲武信ヶ岳から雁坂嶺へ
夕立が凄かったが朝は爽やかに晴れ今日もいいお天気。5時の朝食を済ませると空身で甲武信ヶ岳をピストンする。富士山や八ヶ岳、アルプスの山々が見え気持ちいい。ウォーミングアップに丁度良かった。一休みして小屋を出発。木賊山を巻き破風山避難小屋までの穏やかな道を行く。賽の河原手前はちょっとザレた下りになったが何のその、昨日の荒れ道に比べれば超快適。シャクナゲも左右に分かれ大人しく登山道を飾っている。整備された登山道って素晴らしい!笹原と青空が美しく、誰もいない避難小屋ベンチで20分近く寛いでしまった。破風山までの急な岩稜を登ってしまえば後は快適な山道が続き、笹原と縞枯れ樹林の白と新緑の黄緑と青い空に囲まれ、最高の気分で軽やかに歩く。時間があったら雲取山まで行ってしまいたいなんて発言も飛び出す。
今回の山行中4つ目で最後の山梨百名山である雁坂嶺で大休止。後は下るだけだからとみんな余裕の表情になっている(嫌な予感・・・)。雁坂峠の景色をちょっと眺めると、リーダーは物凄い勢いで下りはじめた。生ビール、枝豆、冷奴の幻影が見えているのか??? いったん休憩を挟む以外は快調に飛ばし気づけば沢まで下りていた。沢沿いの林道をしばらく歩くといきなり立派なコンリート橋が現れ(沓切沢橋)、 そこからは舗装道路に。30分ほど歩き雁坂トンネル料金所の駐車場まで来ると、タクシーを呼びはやぶさ温泉に向かった。温泉でさっぱりした後は念願の生ビール、枝豆、冷奴、お蕎麦に囲まれ大満足。お疲れさまでした。
鶏冠山を振り返ると、キツかったけどいい山で充実感いっぱいです。本当にお疲れ様でした。綿密な計画を立てて下さった幹事のSさん、ルートファインディングに奔走して下さったMさん、Kさん、そして体験からルートについて貴重なアドバイスを下さった灯会の皆さん、本当にありがとうございました。アドバイスは大いに役立ちました。地図読みと経験の大切さを実感した貴重な山行でした。
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