
日程: 2014年12月23日 (火)
参加者:
* 初心者班:T(L、講師)、K、M、I、Y、H
* 経験者班:YM(講師)、YE(SL)、HO、MI、FU、KI、YO、AN
9:30に訓練開始の予定であったが、関越道の渋滞の影響を受けて 10:20 に土合駅に到着。
それから身支度を整えて 10:55 に駅舎を出る。 11:05 に白毛門の登山口付近に到着。標高700m程度の所。
川を挟んで谷川岳ロープウェイの土合口がよく見える。当日は強風でロープウェイが動いているとか動いていないとか微妙な噂。
雪の量は多く、ふわふわで足を踏み込むと7-80cmぐらいはハマれるところがチラホラあるぐらいの積雪で、例年に比べるとかなり積もっているらしい。
全員集合後、初心者組と経験者組はここで分かれて訓練を行うことになる。
=== 初心者班 ===
◆ 歩行練習
ピッケルの各部の名称から持ち方、足の置き方等を教わり15mぐらいの正方形と対角線を一巡する。
雪がふわふわでピッケルに手応えがないが、ピッケル、右足、左足の三点支持を意識して歩く。
登りとトラバースは訓練なせいか、余裕で歩けるのだけど、雪が柔らかいせいか、下りはなまじトレースがある為、急に数十センチの段差がある部分があり、皆(でもないけど)こけていたのが印象的。
ピックの向きを進行方向に合わせて変えるのを最初は忘れがちであったが、慣れてくると自然に対応できるようになる。
◆ ラッセルの練習
歩行訓練を何巡かした後、それぞれ横一列になってトレースのない新雪の上を直登する。
ピッケルで掻いた雪を膝で固めて、その上に立つという繰り返しなのだが、膝で固めた雪の上に立っても、そこから4-50cmぐらいはハマる体たらくで、もっと硬くないとダメかと、固められるだけ固めると前が1m程度の崖のような段差になっていて次が辛くなる。何だかんだでこれは私が一番下手くそで遅かった。
これを登りと下りを何往復もするのだけど、私は2往復しか出来なかった。
◆ 耐風姿勢の練習
足をしっかり開いてピッケルを前について正三角形(もしくは二等辺三角形)で風に耐える姿勢。腰を頂点とした三角錐みたいな姿勢です。
三角形の安定感最強理論なのですんなり理解できるのだけど、雪が柔らかいのでピッケルを持つ石突き側の手が雪にものすごく埋まる。
横から持ち上げるように押されると、踏ん張っているのに足が浮くので、風は怖いと思う。
◆ 滑落停止の練習
まずはゲレンデづくり。そりを使ってツルツルの斜面を作る。軽く斜面を固めて皆で滑る。滑っても滑ってもズボンが濡れないので、サラサラの雪とはいえども冬用のズボンは凄いなと変なことに感心する。Tさんの銀マットで滑るとよく滑るので、滑り台のようで面白い。ここは雪遊びの様相。
初めてゲレンデ作りをしたので特に感じなかったが、全然滑らない斜面の仕上がりだったようだ。確かにうっかり滑ってしまうほどではまるでなかったけど、よく出来た練習ゲレンデ、ひいては実際の滑る斜面というのはどのようなものかと思う。この辺りは凍った道で滑る時の抵抗感のなさを考えると想像はつくけどヤバイですね。
滑落停止は、端的に言えばうつ伏せになってとにかくピッケルを雪面に指して抵抗を高めて止まるしか無い。
* アイゼン装着時は、アイゼンで急に高い抵抗を得ると上体が浮き上がって、今度はアイゼンを支点に仰向けに倒れてしまうので足を曲げること。 (スカイダイビングみたいに)
* ピックを差す際にブレードが肩にあたって怪我をするかもしれないけど、そうでもしないと死ぬので、怪我する覚悟で肩に当てること。 (心臓マッサージでアバラが折れても心停止で死ぬよりマシみたいな)
* 釣り針の返しを引っ掛けるように、ピッケルの石突き側のシャフトを持つ腕の脇を閉めてピック側が鋭角に刺さるようにする。 (少なくとも練習時の停止にはこれを上手にすることが一番効果を感じた)
* その他、立ち上がる時に確保用に刺したピッケルを、感覚より手前に刺したほうが、立ち上がるとき縦に体が伸びてもつかみやすい位置になる。 (膝をついた状態と膝を伸ばした上体で持ちやすい位置が違うので、立った時に持ちやすい位置を意識して差すとしっかり確保できて安全)
など等、効果を高めるにはコツが幾つもあった。
また、とにかくできるだけ早く止めることが重要なので、練習で上記のコツを無意識にできるまで体に叩きこむ事が大事。
◆ アイゼン着用 & 歩行の練習 & 滑落停止
休憩を挟んでアイゼンの使い方に進む。休憩中(後)もビーコンやゾンデ棒 (プローブ) の使い方や、チェストハーネスの結び方等を端的に教わる。撤収時の最後にもピッケルによるザックの確保方法、スコップについて同様の解説があった。
アイゼンの着用と歩行の練習。アイゼンの着用は石井スポーツで店員さんに教えてもらったし、事前に試していたのですんなり出来た。
初めはインナー手袋だけでやったので、ほとんど素手と同じぐらい速く装着できた。2回目は計測付き。
今度はアウターグローブを付けた状態で挑戦してみる。早い人は3分ぐらいなのに、私は5分もかかってしまった。
締め付けるところまでは割とすんなり行くけど、ストラップの末端処理がアウターグローブ装着状態では全く思うようには行かない。
その後、アイゼンを装着した状態で、最初におこなった歩行練習と滑落停止を行う。
この頃には訓練に使った場所があらかた踏み固められていたことや、少し暖かくなって表面が溶けたか、雪が硬くなっていてピッケルもそこそこ抵抗があるぐらいに刺さり、かなり歩きやすくなっていた。
滑落停止もアイゼンの有無は膝をきちんと曲げているかの違いぐらいしか影響がなかったので、割りとみんなキレイに出来ていたように思う。
アイゼン着用時には時間的に終わりが見えていて、経験者班は初心者版より早めに帰っていたので、そこそこで切り上げる。
初心者組は 15:20 に訓練場を後にして 15:30 に土合駅に到着。
=== 経験者班 ===
12/23 経験者班
天候:薄曇雪のち晴
気温:?すみません
予定では20土に参加予定が都合で出れず本来締切の23にドタ参させていただきました。同じく欠席ドタ参の平山さん、安保さん。受け入れて下さった高さんありがとうございました。また23の班長が出来ずご迷惑をおかけしました。
さて、土合の駅に8:40に降り立つとホームは膝までの新雪。トレースなし。ここからラッセル。
駐車場も深々と雪で埋れていた。
車組もチェーン規制で集合が1時間ずれこむ。
雪風の為ロープウェイも止まっているらしい。
身支度を整え皆で白髪門駐車場に向う。
ここから経験者班は講師YMさん、リーダー、YEさん。
雪も深く地ならしも兼ねて、
・ラッセル (平坦地、斜面)
・ツボ足(新雪斜面登下降)
・ワカンを付けて登下降
・滑落停止
休憩を挟み
・簡易ハーネス装着
・アイゼン歩行(登下降、斜登下降)
・支点(ピッケル、スノーバー、デッドマン、ポリ袋、草木)
・確保デモ(YM講師による肩絡み、腰がらみ、グリップビレイ)
・緊急避難(蛸壺掘り)
・埋没体験(プローブの入れ方、感触、雪の重さ体験)
15時をめどに終了、初心者班のTリーダーと無線連絡を取り先に撤収。
土合駅で集合、解散。
【所感として】
・場所、時期により雪質が違う。歩き方は一つではないこと。回数と経験値が大切だと痛感。
・支点もいろいろあり荷重のかかる方向で脆くなることを体験できた。
・滑落停止は斜度がなくスピードがでなかったが型としては練習になった。皆型は良かった。
・直登下降はシーズン始めもありまだ練習の必要あり。
講師を務めて下さったYMさん、灯の雪山山行を踏まえたアドバイスもありがとうございました。自らスノーシューで雪面をならして頂いたりYEさんとのチームプレーで楽しく訓練できました。ありがとうございました。
以上
スポンサーサイト
コメントの投稿