
【日程】平成27年8月1日(土)~2日(日)
【メンバー】WS(リーダー)、T(Kさん)、W(K子さん)、E
【行程】
(一日目)6:00東川口駅~10:04駐車スペース~準備~10:52登山口出発~12:35水場~14:30駒の小屋(泊)
(二日目)4:07起床~4:35駒の小屋発~5:15中門岳(2,060m)~6:00会津駒ヶ岳(2,133m)~6:25駒の小屋7:00~8:13大津岐峠分岐~10:05キリンテ下山
集合時間の6:00ジャストに東川口駅からKさんのすてきなオレンジ色の車で出発。「聖子ちゃんを聞くとアクセルが軽くなる」という言葉通り、高速をぶんぶん進んで西那須野塩原ICを下車。80年代のヒット曲が流れる中、長い国道を会津方面へとひた走り、途中のコンビニで行動食や明日の朝食などを購入。帰りにお土産にするべく会津の地酒もチェック。
登山口までもう少しというあたりで、なんだか人手が多いなと思ったら真っ白いゲレンデがあらわれた。通過しながら見てみると、「真夏の雪祭り」という横断幕が張られ、出店もたくさん出ていてにぎやかになっている。あの白いのは雪? と話しつつも、一同の気持ちは目前の会津駒ヶ岳へと向かっている。まさかこの暑い最中、雪があんなにあるわけがない。
駒ヶ岳登山口のバス停を右折し、駐車場へと向かう。10時頃の到着で、まだ数台停められそうであった。ナンバーを見ると、山形に宇都宮に所沢、神戸ナンバーも。我らがKさんのオレンジ号も華麗なバックで駐車した。身支度を整えて登山届を提出し、ストレッチをしたら、いざ百名山の会津駒ヶ岳へと出発だ!
登り始めは少し急な道。暑い。樹林が日差しをさえぎってくれているが、風がなくて暑い。最後尾のリーダーから、登り始めはとにかくゆっくり歩くようにとの指示があり、ゆっくりゆっくりと登って行く。暑い。玉のような汗がこぼれ落ちてくる。感覚的にビー玉のような汗である。熱中症にならないように、30分ごとにこまめに休憩をとり、その都度給水とおやつでエネルギーも補給した。あまりに汗が出てくるので、下山したら数キロ痩せてるんでは・・という期待が一瞬頭をよぎったが、登り進んでいくうちにそれどころでなくなり、痩せるとかどうでもいいからちょっと風吹いてくんないかなあ、という現実的な期待で頭がいっぱいになった(帰宅して体重量りましたけど、もちろん減ってませんでした)。
途中すれ違った人から、水場に冷たくておいしい水が出ているよ、と教えてもらい楽しみにしていた水場へおりるポイントに到着。ここは日陰にベンチもあって休憩するのにも適地。水場は登山道から少し下ったところにあり、若干急だったので気を付けておりた。水が流れる涼しげな音の中、水筒に冷たい水をくんで飲むと、とてもおいしい! しかし、きれいな水辺にはたいてい虫がいる。水を飲んでいたら足にチカッと刺激が走り、アブだかブヨだかにさっそくかまれてしまった。足踏みをして虫がよりつかないようにしながら飲んだぶんを補給し、登山道へと戻った。この先の道中、アブだかブヨだかの虫と、重低音をとどろかせて付きまとう大きな虫を引き連れ進むこととなる。
駒ヶ岳登山口からの登山道は道迷いをするようなところはなくはっきりしており、少し急なところもあったものの、長く続く登りはなくまたゆっくりゆっくり進んだので暑さ以外で難しいところはなかった。
以前同じルートで登ったことがあるリーダーが、樹林の隙間から見える山容を指さして、あれが明日登る会津駒であると教えてくれた。見える稜線は穏やかで、青空と緑のコントラストがきれい。暑い中であったが、きれいな景色を見てテンションもあがり元気が出た。
あともう少しで稜線に出るというあたりで、ケガをしている人がいた。座って頭をタオルで押さえて止血されていたが、血がタオルにも着ているTシャツにもしみていて結構な出血量があった様子。どうやら下山途中で転んで石で頭を打ったようであった。ケガをしたのが頭部ということもあり、ヘリでの救助を要請してあるとのこと。下山は足が疲れているし、この暑さもありフラっとしてしまったのかもしれない。自分たちも慎重に進んでいくこととした。
樹林帯を抜けて稜線に出た。今日の宿泊地、会津駒の小屋が見える。小屋が見えると足取りも軽くなる。小屋まであと少しだけど、景色がきれいなところにベンチがあったので最後の休憩をした。ここは木陰がなくて日差しが直でささってくるが、不思議と気持ちが良い場所で、給水をしつつ会津駒ヶ岳を眺めてしばしのいい時間を過ごした。
ヘリコプターどこから来るのかな、という話をしながら小屋までの木道を歩いていると、バリバリバリ・・という音がして、ヘリコプターがあらわれた。機体には「ふくしま」の文字。警察か消防かはわからなかったが福島県の救助隊が先ほどのケガ人をヘリに引き上げているところを見ることができた。何度か旋回してピックアップの場所を選んでいて、大変なお仕事に頭が下がる思い。お世話になることがないよう、安全登山を心に誓った。
14:30、会津駒の小屋に到着。暑かったが、ゆっくりと登り、休憩もこまめにとったおかげで体調をくずす人もなく無事に到着できた。
駒の小屋は完全予約制で、一泊3,000円の素泊まりのみ。ご夫妻で小屋を管理されていて、ポップな文体でブログを更新されているご主人はどんな方かしらとK子さんと道中楽しみに話していたのであるが、意外にも寡黙そうな静かな旦那さんであった。
宿泊には定員があり、リーダーは6月1日の予約開始日に4名分の予約をとってくださったそうだ(なお予約開始日の時点でこの土日の空席は4名だったそうである)。こぢんまりとして清潔で、電気が通っていないため夜はランプの明かりが灯る、あたたかな雰囲気の山小屋だった。
荷物を置いて、宴会道具を持ちよって自炊室で乾杯! 缶ビールは350ミリが500円。他にチューハイやカップの日本酒も売っていた。お酒やジュースは水を張った大鍋で冷やしてあり、電気がない中での心遣いがうれしい。ビールはちょっとぬるめだったけど、おいしくてあっという間に飲みほしてしまった。水は販売の500ミリペットボトル(尾瀬の湧水)を購入するか、天水をわけてもらうこともできる(要煮沸)。
素泊まりのみのため、食事は自分たちで用意する必要がある。今回はリーダーが食材に調理器具もご用意くださっていて、事前に聞いていたメニューは豚ロース味噌漬け焼きに、焼きビーフン。計画書に「フライパン」とあり、アウトドア用の軽いフライパンだろうと思っていたら、自炊室に登場したリーダーが手にしているのは家庭用の30センチはあろうかという立派なフライパンだった。これを背負って来て下さったとは。火器は小屋で家庭用のカセットコンロを借りることができる(30分400円)。
自炊室では、隣り合わせたお姉さん(日暮里の山岳会ご所属)と一緒に、山の話をしつつ、灯会へさりげなく勧誘しつつ、お酒を飲んだ。今回初めて一人で山に来たというお姉さん、初めてのソロで小屋泊登山とは行動力がすごい! 山好き同士、楽しく会話がはずんだ。小屋の奥さんから、今夜は麓でお祭りがあるから打ち上げ花火が見えるよ、と教えてもらった。時間が20時だそうなので見られるかわからないけれども、山の上から花火が見えるなんていいなあ。と思った。
自炊室の利用は17:30までの割り当てだったため、外のベンチに場所を移して宴会は続く。
リーダーから、①スキーをやるべし②イタリア、フランス、いやジンバブエに行くべし という講話があった。ふむふむと聞いていたが気づけば何度も同じ話をされている。どうやら飲み過ぎて酔っぱらっているご様子。食当はリーダーなのだが大丈夫であろうか。
太陽が沈みつつあり、まだ明るいけどお腹も空いたし豚ロースを焼こう、ということでコンロを借りてきて調理開始。リーダー、大胆に豚ロースをフライパンへと投入する。団子状態のままだ! 急いでばらして両面を焼く。玉ねぎも一緒に漬けてあり、焼けてくるといい香りがしてお腹が鳴る。肉の枚数でケンカしないようにKさんが均等にお皿にわけてくださり、いただきます! 良い漬かり具合、焼き加減でとてもおいしかった。
続いて焼きビーフン。にんにくの芽をきざんでキャベツと一緒に炒めてから、ケンミンの焼きビーフンを投入。ここで水を400ミリ(2袋分)入れるのであるが、酔いどれリーダー、大胆に550ミリのペットボトルすべて投入。シャバシャバである。
汁ビーフン寄りの焼きビーフンもおいしく出来上がり、ゆっくり食べながらお酒を飲みたい気分であったが、陽が落ちるとともに虫の一団に襲撃される。何の虫だかわからず、刺されているのかかまれているのかもわからないけれど、やられたところがとにかくかゆくなる虫! かゆい! 私は虫に好かれて(むしろ嫌われているのか)しまい、たくさんかまれた。お皿とお箸で手がふさがっていて、露出している顔と頭をメインにかまれてしまい、ぼこぼこに腫れた。かゆいけどビーフンは食べたいし、必死に虫を追い払いつつビーフンを食べつつと慌ただしかった。
小屋の奥さんいわく、この虫は日が暮れてトンボが寝床に帰ってしまうと現れる虫だそうだ。日中見かけなかったのはトンボのおかげだったらしい。食べ終わって急いでテーブルを片付けて、小屋へと逃げ込みやむを得ず宴会終了。灯会に入ってからの山行で初めて持参したお酒が残った。なんという珍事。明日は雨にならないといいけれど。
酔いどれリーダーは一足早く小屋に入っていて、すでに布団で寝ていらした。K子さんの枕が見当たらず、ほの暗い中で探していると、リーダーがK子さんの分も使っているのであった。笑い声を出さないようにするのが大変だった。横になり見上げるとランプが灯っていて、この火をどうやって消すのか見ていようと思ったのに、気づいたら眠りに落ちていた。
翌朝は4時起床の予定がちょっと寝坊して目が覚める。静かに荷物をまとめて外へ出ると、昨夜の虫がまだいっぱいいる! トンボ早く起きて! さっそくあちこちかまれて朝から顔がかゆい。私は君たちの朝食ではないのだよ。K子さんは頭からかぶるネットを装着されていて快適そうである。今度からザックに忘れずネットを入れようと決意する。
空が赤く焼けてきて、日の出が近そう。不要な荷物は小屋に置かせてもらい、小さい荷物で会津駒ヶ岳へと出発。たくさんの虫とともに。ハッカ油も虫除けスプレーも蚊取り線香も効かない虫。払いながら歩いていくがしつこくつきまとってきて、おでこもさされた。触るとボコッと腫れていて、コブダイみたいな顔になっていたらどうしようと不安になる。
湿原保護のため木道が設置されているのであるが、朝露でぬれていてよくすべる。ところどころ傷んでいるところもあって、気の抜けない木道歩きとなる。ふと右手を見ると太陽が登り始めている。K子さんが「高級な卵の黄身みたい」と形容されたのがぴったりな、濃厚なオレンジの光り輝く8月の太陽であった(卵から連想し、納豆の卵かけごはん食べたい。ともおっしゃっていた)。
会津駒は帰りに登ることにして、まずはその先にある中門岳(ちゅうもんだけ)に向かった。途中、雪渓が残っていて、一部木道にかかっているところがあった。虫を追い払いつつ、滑らないよう気を付けて進んでいくと、ぽっかりと池があらわれてその付近が中門岳なのであった。ワタスゲがそよぐ静かな場所で、しばし休憩をして花の写真を撮ったり朝日にそまっていく山並みを眺めたりした。月が写りこむ穏やかな水面が美しかった。
太陽もすっかり姿を現し本日も暑くなりそう・・。続いては今回の山行の目的地、会津駒ヶ岳の山頂へと向かう。往路は虫に気を取られてちゃんと見てなかったのだが、木道のまわりにはたくさんお花が咲いていた。木道は朝露がおりているが、ワタスゲはフワフワのまま、チングルマもふんわりとしている。復路も虫はじゃんじゃん集まってくるが、往路より顔をあげ視野を広げて景色も楽しむことができた。
会津駒ヶ岳へは木道ではなく斜面をしばし登ることとなる。木道の分岐には山頂まで0.2キロの表示。虫に追いかけられているのでちょっと早めに足を動かし山頂へと到着。山頂は背が低めの木々に囲まれているが、標識方面に振り返ると燧ケ岳がよく見える。先着パーティに集合写真を撮ってもらった。会津駒の山頂から小屋方面におりるところが絶景で、湿原に駒の小屋、そして燧ケ岳が一度に視界に入り、よくできた箱庭のよう。きれいだなあ。ハクサンコザクラがピンクのじゅうたんのように、満開に咲いているところがあった。
小屋について各自朝食をとりながら荷物を整え、計画書の予定より少し早めに7:00出発。歩き始めると急な下山路となり、気をつけながら足を運ぶ。すぐに開けた場所に出て、これから進む道が見渡せた。稜線歩きで気持ちが良さそう! 燧ケ岳を右に眺めながらあの緑色の稜線を歩くんだなあとワクワクしながら進んでいく。が、遠目ではなだらかに見えたものの、意外とゴツゴツした石が多かったり道がザレていたりと行ってみないとわからない若干の悪路もあった。太陽が完全に出きってから、例のかゆい虫はいつの間にか姿を消していた。
稜線歩きは気持ちが良いが、太陽が脳天を直撃して暑い。ときどき木陰を通過すると涼しくてほっとする。下山でも45分に一回くらいのペースで休憩をとり、水分をちゃんと補給した。
大津岐峠の分岐からは樹林帯へと入る。日陰になって涼しいけれど、今度は風が通らなくなるので結局暑いのであった。じぐざぐに折れる登山道を下っていく。道はなだらかで歩きやすいが、ところどころぬかるんでいたり土がつるつるになっていたりするので、意外と神経を使った。植林が見えてきて、車の通る音も聞こえてきて、だんだんと里が近くなってきた。下山したらおいしい手打ち蕎麦を食べるのだ!
間もなくしてキリンテに下山。お疲れ様でした。お蕎麦を食べるみやまえ食堂まではあと200メートル。最後の気力を振り絞り、食堂がオープンしていることを願いつつコンクリートの道を歩いていく。無事にお店も開いていたので山菜付きのざる蕎麦を注文し、冷たいジュースで乾杯した。打ち立てのざる蕎麦は冷たくてとてもおいしかった。
食堂のお母さんから、昨夜の花火が真夏の雪祭りの一環であることをお聞きする。雪を特殊なシートをかぶせて保存しておき、8月の第一土日で「真夏の雪祭り」を開くのだそう。雪の上に立つと夏でも寒いくらいの気温らしい。昨日行きがけに見た白いゲレンデが、本物の雪であったとは!
食堂でゆっくりした後はバスに乗って駒ヶ岳登山口へと戻り、Kさん号に帰還して温泉に入り、コンビニで事前チェックしていた地酒も購入し、東京方面へと戻った。
途中の大谷PAで休憩した際、ゲリラ豪雨に遭遇。風雨に加えてヒョウも降ってきて、大変な嵐であった。山行中にこんな暴風雨にヒョウまで降ってきたらと思うと恐ろしかった。しばし足止めをくらうが風雨が一息ついた隙をねらって車に戻り、10分も走らないうちに雨も風もヒョウもやんだ。道路も乾いているように見えて、ピンポイントのゲリラだったようだ。天気は不思議だ。気象講習を受講中であるが、つくづく、天気は不思議(理解が追いついていないだけかもしれない・・)。
今回の山行は、暑さと虫との戦いでありました。暑いということは、何かとパワーを奪っていくと感じました。ゆっくり登って休憩もこまめにとって、息が上がらないよう水分が足りなくならないようにしながら無事に登って下りることができましたが、レスキューを待つケガ人がいるパーティにも出会い、安全登山への意識が高まりました。
会津駒ヶ岳は日帰りで登る方も多いようですが、会津駒の小屋は心落ち着く山小屋だったので、今度はぜひ虫のいない季節にゆっくりと外のベンチで夕焼けを見ながらお酒を飲みたいです。
リーダー、的確な指示と細やかな計画をありがとうございました。酔いどれたお茶目な姿を拝見でき楽しかったです。K子さんがいつも気にかけてフォローしていらして、すてきなご夫婦だなあと思いました。Kさん、お疲れのなか往復とも運転してくださりありがとうございました。次は運転を交代できるよう、ペーパードライバー脳内講習に励みます。。。
皆様、大変お世話になりありがとうございました。スキー、来シーズンは一度やってみようと思いますので、その際はまたどうぞよろしくお願いいたします(リーダーおすすめのジンバブエはどこにあるかわからないしパスポート持ってないので行けなさそうです)。
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