日程: 2016年1月9日(土)~10日(日)
メンバー: 3名 K(L)、E(食担)、T(記録係り)

天候: 1、2日目 快晴
行程: 1日目 8:50渋の湯駐車場9:07-11:35高見小屋11:45-12:50中山-13:40黒百合ヒュッテ泊
2日目 7:00黒百合ヒュッテ7:50東天狗岳7:58-8:15東天狗岳8:25-9:10黒百合ヒュッテ9:55-11:27渋の湯
今年初の山行は、北八ヶ岳の天狗岳となりました。
1日目
三連休初日だが中央道は空いている。富士山が見えてくるも雪が少ない。予定より早く諏訪南出口を降り、北八ヶ岳方面に車を走らせる。今までまぶしい朝日の下を走ってきたが、北八ヶ岳の上空だけに灰色の雲が停滞している。おまけに雪はあまりなく茶色い方が目立つ。その様子を目の当たりにしたカワセミさんと焼き肉のたれさんは、これは夏山だと驚愕していた。渋の湯に向かうも薄暗く、道路脇に雪がわずかにうっすらと積もっているだけ。カワセミさんによると通常であればここから雪が積もっているらしい。
渋の湯駐車場に到着し、係りの人より「先ず手続きを済ませて下さい」と機械的な対応を受けるも、駐車後に出発の際は「気を付けてね」と熱い声援を送ってもらった。
うす曇りの中、登山口よりアイゼンは装着せずに登山開始。登山入口はうっすら雪で白いが、数cm程度の積雪。一歩足を踏み出すと雪の下は地面が凍っており、滑らないように慎重に足を斜面に運ぶが、時折雪の下にぶ厚い氷が隠れていてツルンとスケートの蹴り出しのような恰好になる。カワセミさんによると通常であれば登山口から雪が覆っているらしい。高見小屋に着く頃は氷の道はなくなってきた。朝方の雲はどこかに行ってしまい、強い日差しが空気中の水蒸気に反射し、まるで雪が降っているかのようにキラキラ光る。お腹も空き、ここで昼食休憩を取る。高見小屋前に併設されているベンチの上には屋根があり、座っていると直ぐに寒くなる。焼き肉のたれさんと記録係は自然とお日様が当たる所へ移り日向ぼっこをしながらのお昼。動いた方が暖かいとカワセミさんの一声で一同出発。
ここより樹林帯に入る。ようやく雪も少し積もっている。雪の上に足を置くとキュツと鳴る。急斜面を登る。雪の出現に喜ぶも樹林帯を抜けると赤い丸が道しるべとなっているゴロゴロした大きい岩場に出る。カワセミさんによると通常であればここも雪が積もっていてまっすぐ歩いて行けるそうなのだが、岩が目立ち、岩につく雪に注意しながら足を進める。岩道を抜け、再び樹林帯に入ったところで、一本取る。
樹林帯の中は再び雪現れる。雪があるので道も平ら、不思議とひっそりと静かである。針葉樹にはクリスマスケーキの飾りの木のように上から粉糖をまぶしたようで、針葉樹についた樹氷がパラパラを雪面に落ちていている様は、まるで白い葉が落ちているかに見える。こういう道はカワセミさんは眠くなるとのことだが、私には誰かさんのお家にお呼ばれして雪道を歩いているような気がする小道だった。目的のお家はログハウスで、暖炉には木をくべてあり、橙色の火がゆらゆらしている。途中、片側の樹林から偶然にシカが飛び出して来てシカも人間もびっくりしたり、はたまたリスがクルミを食べていたり、なんて想像を掻き立てられる樹林帯だと、ちょっと恥ずかしいが焼き肉のたれさんに話してみたら、同じく想像を掻き立てられる樹林帯の道だと分かり嬉しくなった。
樹林帯を抜けると中山まで道が開ける。目の前に中山が見えるのだが、雪の上だと思ったら松の上で足がスポッと穴にはまってしまい、少しあたふたしてしまった。
中山は日差しが強く、暖かく、針葉樹には長さ3~4㎝の樹氷が樹全体についている。再び白い樹林帯に入りまたまた想像を掻き立てられる道を歩き、展望台に出る。正面には視界を遮るものは一切ない、青い空を背景にくっきりとそびえ立つ東天狗岳、西天狗岳の大絶景。両岳には数名の登山者が点々とはっきりと見える。明日、行きますよ、とカワセミさん。黒百合ヒュッテから1時間のコースだが、近くに見えるが遠くにも感じられ本当に1時間で行かれるのかしらん、とその大きさに圧倒される。今まで数組の登山者にしか出会わなかったが、中山峠に着く頃にはうようよと登山者が現れて、ヒュッテのHPに今夜は満員、と記載があったことを思い出させられ少しげんなりしてしまう。
今夜の宿、黒百合ヒュッテへ到着。小休止後、カワセミさん講師によるロープワークの課題(内容は、下記参照願います)を1.5時間程行う。練習場所には、ヒュッテ前の斜面を選ぶ。練習中、下から人の声がする。なんと他の登山者がルートだと思い、何組も同じところを登ってきてしまっていたのだ。その度に、カワセミさんが我々は練習中なんです、ルートはあちらですよ、と丁寧に教えていた。
練習後小屋に戻ると、座る場所もないほど人で溢れている。焼き肉のたれさんが人が移動した隙を狙って自炊テーブルを確保してくれ、我々の夕食開始。先ずは各自持参したビールで乾杯し、焼き肉のたれさん手作りのお餅入り茶巾と冬野菜沢山の鳥鍋を頂く。鍋で体が温まると、自然と顔もほころんでくる。鍋は最後にラーメンで締め、満腹になる。その後、また少し飲み、就寝となる。寝場所はギュウギュウで、寝返りを打つには体の幅の範囲内で行うほど。お布団の中は有難いことに暑く、いびきの大合唱の中、夜は深まっていった。
2日目
今朝は今回の山行のメインイベント、東と西の天狗岳に登る。天場のテントがうっすらと白くなっている。昨夜は、-12℃まで下がったそうだ。荷物を小屋にデポし、今朝はアイゼンを履いて出発。
予報では晴れのはずだが、少しガスっているため、東天狗岳に行って状況を確認し、西に登るか判断することとなった。登り始めてすぐに風が吹く。たまに強く吹き、体が持って行かれそうになる。体の右側だけに風があたり、右耳がちぎれそうに痛い。冬に自転車で下り坂を走り降りる時の寒さとは比ではない。あまりにも痛く、アウターの帽子をかぶったら風を遮ってくれホッとした。時折ガスがはれると目の前に東駒ケ岳がぬっと現れる。ここまで雪はあるのだが、岩が顔を出している場所もある。カワセミさんによると、通常であればここも雪が積もっているので、まっすぐ歩いて行かれるそう。慎重に少しずつ少しずつ足を進めていく。ついに東天狗岳山頂に到着。山頂は風が強く、ほんの少しだけ1本取り、出発時より天候が悪くない西天狗岳へも向かうとになった。目の前にそびえ立つ西天狗岳はぼんやりと大きく、後ろを振り返るとガスがはれたほんの一瞬、今登ってきた東天狗岳が現れる。西天狗岳への道も風が吹く。少し急登を登る。頂上に着き、両岳を踏め感激する。地面に置いてあった標識を持って3人で登頂記念撮影。風が強いので、ほんの少し休み下山開始。下山の時は体の左側から風があたり、そして登頂までの道のりに比べ下りは、ヒュッテまであっという間に戻ってきてしまった。
ヒュッテはほとんどの登山者がはけ、その元の広さに戻っていた。荷物を纏め、朝食をしっかり取ったのにまたしっかりと食べた。不思議と清々しい。我々の目の前にいた女性は小屋で注文した生卵がのった大盛カレーをがっつり食べていた。この女性の朝の行動は不明。小休止後に、小屋を後にする。朝のガスはもうはれ、すっかり青空になっている。風もない。念の為、アイゼンを履いて下山を開始するも40分位歩いたところでアイゼンを外す。そして一気に渋の湯まで下山した。
中央道に入り、八ヶ岳サービスエリアに寄る。なんと、カワセミさん、カレーが食べたいそうだ。ヒュッテでカレーを見て以来、食べたかったらしい。そして、小春日和のなか三連休の中日だからなのか、空いている中央道を順調に走り、一同それぞれの帰路に着いたのであった。
ロープワークの課題:
① ムンターによる上り下り確保
② クレームハイストによる上り下りの練習
記録係あとがき
今回の山行を企画して頂いたカワセミさんへ
昨年の雪訓参加後、初心者の私はせっかく習ったことをまた実践で覚えたいなと思ってはいたものの予定はなく、こんなに早く再び行かれるとは予想だにしていませんでした。大変勉強になりました。ありがとうございました!
焼き肉のたれさんへ
アイゼンを履いての歩き方、ピッケルのつき方、他、沢山のアドバイスありがとうございました!それから、お夕飯ごちそうさまでした。大変美味しゅうございました!
お二人へ
また、是非ご一緒させてください。よろしくお願いします!
スポンサーサイト
コメントの投稿