
【日程】2018年6月30日
【メンバー】WS(L)、WK、I、T(報告)
【コースタイム】752土合口~804登山口(800m)~1033ラクダの背~1039ガレ沢のコル(1485m)~1202ザンゲ岩~1240トマの耳(1963m)1250~1300オキの耳(1977m)1320~1340肩の小屋1345~1415天狗の留まり場~1451熊穴沢避難小屋(1465m)~1539天神平(1310m)~ロープウエイで下山
【報告】
初めての谷川岳。いや、正確に言えばスキーブームのころ以来だから30年ぶりか。灯に入会させていただき4年目、登頂のチャンスがやってきた。リーダーいわく。谷川岳は天候の変化が激しく経験上好天に恵まれるのはあまりない。きょうは晴れてる。オレ、今シーズンは持っているかも。
西黒尾根はいきなり急登から始まった。樹林帯のなかをジグザグに、まっすぐに、またジグザクにゆっくり登っていく。始まりは亀足で行かないとバテる。トップを指名された私は自分に言い聞かせた。「お前は亀だ、ノロマな亀だ。亀田のあられせんべいだ。」急登30分、頭が早くもショートしたらしい。単調で苦しい。風のない樹林帯が続いた。準備した水がどんどんなくなっていく。帽子の汗止めは早くも吸引限界を超え、汗がある頭からたら~り落ちてくる。目が痛い。頭を冷やそうとハッカ油をスプレーしたのを後悔した。空が明るくなった。左側の景色が急に開けて稜線にでた。左手前には天神尾根の稜線と天神平の屋根が、下を見れば土合口の広場が遠くに白く光っていた。
樹林帯は好きだが、樹林帯の急登はごめんだ。ここからも急登は続いたが足元は岩稜帯にかわった。視界が開けてからは先が見える。見通しが効くというのは安心感がある。人生もまた同じ。ほどなく鎖場登場。大きい岩にとりついた。手がかり足がかりは容易にわかるので難しくはない。ほぼ垂直の岩をガシガシ登る。しかし、なんだね。この尾根は山頂が見えてからがホントに長いね。何度高度計をチェックしたことか。鎖場をやり過ごして平の場所にでたが、すぐに次の鎖場が現れた。鎖をつかんで大きな岩をゆっくり慎重に登っていく。ここを何人の登山者が越えていったのだろう。手の油で磨かれたのだろう。岩の表面がピカピカ光っていた。このあたりでやっと谷川の景色を楽しむ余裕がでてきた。足元にはそこかしこに黄色の花が咲いている。ほどなくラクダの背と呼ばれる標柱のあるピークに到着。仰ぎ見れば青の空の下にトマの耳がポコンとある。その右にはオキの耳。この角度から双耳には見えない。双耳がもっともきれいに見えるポイントはどこだろう。
ガレ沢のコルから20分。振り返れば辿ってきた道がはるか下まで続いている。「ガンバレ自分、ガンバレ自分」と何度も声に出して自らを励まし、最後の急登を登った。ザンゲ岩周辺には高山植物が広がっていた。ハクサンチドリ、コバイケイソウ、ハクサンコザクラ、ミヤマキンポウゲなど。残念ながらホソバウスユキソウは発見できず次回の宿題に。ここまで登ってくると傾斜は緩み、笹原の奥に指導標の鉄塔がみえてきた。この先、私がルートを誤り時間がかかってしまった。雪渓をトラバースしないで笹藪の直登ルートで行ったが途中の大岩に阻まれて超えるのに苦労した。黄ペンキがどうなっていたのかおぼえていない。後続組には引き返してもらって雪渓歩きで登ってもらった。アイゼンが必要なほどではなく無事に通過できてよかった。笹原の下に赤い屋根が見えた。肩の小屋だ。あと5分。私たちは山頂へ続く最後の一本道をゆっくりと歩き出した。
トマの耳から四方八方に伸びる稜線に感動した。切れ落ちた絶壁の下にはマチガ沢が筆でなぞったように白くすーと伸びてる。その右側の稜線は私たちがいままさに登ってきた西黒尾根だ。ああ、なんと美しいことよ。谷川岳の魅力はこんなものじゃあないのだろう。いつの日か冬の顔も見てみたいし、一ノ倉の断崖絶壁も真近から仰ぎ見てみたい。平標まで縦走してみたい。馬蹄形縦走もやってみたい。あれこれ想像を巡らせるだけでも楽しい。山頂からの眺めを十分堪能した私たちは天神平へ下って帰路についた。
【感動ポイント】
熊穴沢避難小屋から天神平へ下る道はほぼ平坦。途中、左を見ると今日登った西黒尾根の全容が見えた。急勾配を描いた稜線が山頂に突き上げるかっこいい尾根筋。写真を撮らなかったことを後悔した。もう一度じっく眺めてみたい。
【水場】コース上に水場はないので土合口の先にある登山指導センターで補給しておきたい。
【ヒヤリハット】
特に危険個所はないが西黒尾根は急坂。雨が降っていたら下山で使うことは止めておいたほうが賢明だろう。
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- 2019-01-20
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