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早月尾根から劔岳縦走

[日 程] 2008年8月22日~24日
[場 所] 早月尾根→劔岳→室堂
[参加者] 1名
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富山県にあり且つ3000mHに少し満たないが代表的な百名山二つ(急峻な剣岳2999mHと対照的な大きく丸みを帯びた薬師岳2926mH)の内、薬師岳の方は2005年8月に折立から黒部平まで縦走した時に登っており、残るは劔岳だけとなっていた。また後立山から見た劔岳(昨年7月、今年5月)が脳裏に焼き付いており、劔岳登山の機は熟した。
盆休みが明け静かになった、8月22日~24日に2泊3日で早月尾根から劔岳を縦走した。

[行程]
<前夜発>
上野23:33⇒滑川(なめりかわ)5:28
<1日目(8/22)>
滑川6:13⇒上市6:27⇒(タクシー7400円)⇒馬場島760mH7:10→早月小屋(幕営)2250mH13:00
馬場の名前の由来は分からないが、馬場島は白萩川と立山川の合流点の中州にあり、山からみるとあたかも島のように見えるので、馬場島と名前を付けたのだろう。
早月尾根は馬場島(標高760m)から始まる標高差2340mアルプス三大急登の一つ。念願の早月尾根を登れるということで気持ちは高まっている。
今日は天気がいい。登山口からすぐに急坂が始まり、展望台を経て1200mHの高度標に至る。1200mH地点から頂上前の2800mHまで200mH毎に高度標が設置されているが、頂上を目指す者にとっては直前の目標が出来て歩きやすい。
幕営のため重装備であるが、予定通り早月小屋に到着。小屋に着きビールで喉を潤した後に、テントを張る。夜行列車の睡眠不足解消のため仮眠後小窓尾根などを撮る。その後、夕食を摂り、就眠。
縦走路には水場がないので、早月小屋の存在は有り難い。ヘリコプターで下界から運んだペットボトル2Lの水を800円(ビール500ccと同じ値段)で分けて貰う。今回4Lの水を調達した。

<2日目(8/23)>
早月小屋6:40→劔岳2999mH10:40→剣沢小屋16:00
気温10度C。夜明けから雨が降り始めた。朝食を終え、テント撤収後、劔岳を目指す。
2400mH、2600mH、2800mHと高度を上げる。頂上に近づくにつれ、前線が通過しているせいか、雨の他に強風が吹き荒れ、痩せたコルを通過する時は耐風体勢をとる(這いつくばる)ことしばしば。頂上直下で劔沢からの道と合流する。やっと着いた劔岳頂上には祠(ほこら)だけしか見えない。ともかく合掌!娘達の無事出産と孫達の健全な発育を祈った後、直ちに剣沢に向けて下山に入る。相変わらず風と雨が強い。話に聞いていた垂直壁のカニの横ばい(斜めトラバース)、縦ばい(梯子)を無事通過したが、前劔を前にして道が定かではない。地図では尾根伝いに進むのであるが、ホワイトアウト状態になっており、マークを見つけられず、支尾根に入り込まないように、悪戦苦闘する。稜線は強風下にあり、劔岳に登って来る人はいない。やっと前劔へアクセスできる道を見つけたときは嬉しかった。(この縦走路の核心部は垂直の登下降やトラバースもありガレ場の通過もある前劔とみた。)
というわけで、2~3時間のロスが生じた。一服劔まで来ると剣沢全体を俯瞰できほっと一息つける。
剣沢小屋に着いたのは16:00。小屋の受付の第一声は、「この強い風と雨の中を重装備でよく来れましたね」だった。今日、小屋から劔岳に向かった人達は全員前劔(まえつるぎ。小屋のガイド達は「ぜんけん」と呼んでいる。)にも行かず戻ってきたそうだ。(昨年八方尾根から扇沢まで縦走した帰りのバスで聞いた情報では、7/28に剣岳で遭難があった。この7/28も天候不良(降雨)だった。下記に引用。)
この小屋は予約が必要な上に満員ときた。いとこ関係だという早月小屋を利用したと言うと、飛び込みだったが、談話室での小屋泊OKとなった(今日は疲れてしまったので、小屋泊りに切り替え)。
御陰で評判のいい剣沢小屋食にありつけた。今日は揚げたての天婦羅。
剣岳登山を終えての感想:剣岳頂上界隈は完全な岩稜地帯であり、鎖の援助があるものの垂直壁の登降やトラバースがあり、特に強風や雨の時は転落や滑落の危険性が高まるので、それなりに対処ができる人以外にはお勧めできない。
また、剣岳稜線は落雷が落ちた形跡が至る所にあるので、落雷の出そうな時も差し控えたい。幸い、今回は落雷を聞くことは一度もなかった。

<3日目(8/24)>
剣沢小屋6:19→別山乗越7:10→雷鳥平→みくりヶ池温泉9:30→室堂⇒扇沢⇒信濃大町14:09⇒八王子17:31
昨夜の窓を叩く強風・大雨に続き、今朝も雨が残っている。
今日は立山の縦走を計画していたが、ひと登りした別山乗越で体調をチェックすることにした。どうも左足首(2007.11.11負傷部分)に違和感があるようだ。小雨ではあるが、無理はすまい。雷鳥平に下ることにした。みくりヶ池温泉に立寄り(600円)、汚れと汗を流して出て来るとなんとピーカン状態。立山や早月尾根と劔岳を写真に撮り、今回の山行は終わった。立山縦走は又の日にとっておこう。

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